本格ホラー映画に挑戦した白石隼也、オバケが怖くて目が開けなかった?
三津田信三の同名小説を映画化したホラー映画『のぞきめ』で、板野友美演じるヒロインの恋人を演じた白石隼也が、実はホラーが大の苦手で、撮影中は「精神的にキツかった」と打ち明けた。
日常のあらゆる隙間から視線を投げかけ、目が合った人間を呪う怪異現象「のぞきめ」の恐怖を描く本作。ひょんなことからのぞきめに呪われてしまう青年・信二を演じた白石は、「のぞきめの存在を想像するのが大変でしたし、絶叫シーンでエネルギーも使う。今回の現場は精神的にキツい部分がありました」と素直な気持ちを吐露。しかも、実は「オバケが怖いので、ホラー映画を観るのが苦手」なのだという。
「子どもの頃に『着信アリ』を観て、目をつぶると後ろに何かいそうな気がして、一週間くらいシャンプーのときも目を開けていたんです。それからホラーがダメになっちゃって(苦笑)」と当時のトラウマを振り返る白石だが、今回の撮影では目を閉じていても「心の目」で見えてしまうのぞきめの「気も狂わんばかりの怖さ」をどのように表現するべきか苦心したらしい。「ホラーというジャンルにはとらわれずに、役者としてアプローチをしたつもりです」と言い切る彼が恐怖で震えあがる演技は、まさに迫真のひと言に尽きる。
2012年にドラマ「仮面ライダーウィザード」の主演を務め、昨年は映画『ストレイヤーズ・クロニクル』『鏡の中の笑顔たち』など、話題作への出演が続く白石。しかし、本人は役者としての自分を、「瞬発的な集中力がない」と分析する。「例えば、本番前にほかの出演者さんたちが和気あいあいとしていても、自分だけは演技についてモンモンと考えちゃう。その時点から集中力を保っていないとダメなんです」と打ち明け、「少しでも手を抜いたら、(役者の世界から)消えてしまうような気がする」とポツリ。どうやら、常に危機感を抱いて仕事に取り組んでいるようだ。
「未来は未知数なので、全力でやっていきます」と真剣な表情を浮かべる若手注目株。そのストイックな姿勢とナイーブな性格は、俳優業の強力な武器になるのではないだろうか。(取材・文:斉藤由紀子)
映画『のぞきめ』は全国公開中