浅野忠信主演映画、2年連続カンヌ映画祭「ある視点」部門に選出!
第69回カンヌ国際映画祭
浅野忠信が主演を務める映画『淵に立つ』(英題:HARMONIUM)が、第69回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に正式出品されることが明らかになった。昨年の第68回カンヌ国際映画祭同部門で日本人初の監督賞を受賞した『岸辺の旅』(黒沢清監督)において、深津絵里と共に主演を務めた浅野は、2年連続で同部門に主演作が選出されたことになる。
本作のメガホンを取ったのは、平田オリザの戯曲を映画化し、アンドロイドと人間の世界初の共演作として話題になった『さようなら』などの深田晃司。黒沢清、河瀬直美、是枝裕和、三池崇史に次ぐ、新しい世代の監督として世界中から注目を浴びている。深田監督は、「選出の知らせに驚いています。『淵に立つ』は10年近く温めていた企画で、それが無事完成しただけでも幸運なのに、こうして最高の形で世界に届けられることを嬉しく思います」と今回の知らせを喜び、「素晴らしいキャストとスタッフの総力に押し上げられた結果です。感謝しかありません」と熱いコメントを寄せた。
国内外で評価の高い『私の男』『岸辺の旅』をはじめ、巨匠マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の小説「沈黙」を映画化した『サイレンス(原題) / Silence』に出演するなど国際的にも活躍する浅野。深田監督と初めてタッグを組んだ本作で、静かなる狂気を秘めた異質な男を熱演している。そんな浅野の脇を固めるのは、『歓待』『ほとりの朔子』に続き深田組常連の古舘寛治と、映画・テレビ・舞台と幅広く活躍する筒井真理子。
本作は、下町で金属加工業を営む夫婦(古舘、筒井)のもとに突然一人の男(浅野)が現れ、奇妙な共同生活が始まり、一見平和だった家族に“異物”が混入することで夫婦それぞれが抱える秘密があぶり出されていく人間ドラマ。夫婦とは、家族とは、愛とは、人間とは何か、普遍的なテーマを問いかけながら、人間の心の奥底を揺さぶる衝撃作となっている。
同じく昨年、「ある視点」部門でオープニング作品に選ばれた河瀬監督作『あん』の主要メンバーが本作の製作チームに集結し、フランスの映画制作プロダクション「COMME DES CINEMA」と共同制作した日仏合作作品になっている。(編集部・石神恵美子)
映画『淵に立つ』は今秋より有楽町スバル座ほかにて全国公開