5時間17分の大作『ハッピーアワー』が6月、都内で特別上映
昨年12月に東京を皮切りに封切られ、「5時間17分」という異例の長尺でも話題になった映画『ハッピーアワー』が6月、東京都多摩市のベルブホールで上映される。
市民参加による「即興演技ワークショップ in Kobe」から誕生し、ヒロインを演じた演技未経験の4人の女性たちがロカルノ国際映画祭(スイス)で最優秀女優賞を受賞した本作。バツイチの看護師・あかり、夫と中学生の息子、姑と4人暮らしの主婦・桜子、編集者の夫と共働きの芙美、生命物理学者の夫と暮らす主婦・純。仲の良かった親友同士の30代後半の女性たちが、一人の離婚をきっかけに、納得していたはずの人生に疑問を持ち始めるさまをドキュメンタリーのようなタッチで捉えたドラマだ。
芙美の呼びかけにより集まった4人が半信半疑で「重心を聞く」という謎めいた(うさんくさい)ワークショップに参加する風景、その後の懇親会で明らかになる純の浮気、離婚問題。芙美の夫が担当する女性作家の詩の朗読会、その後の打ち上げで明らかになる芙美の夫と女性作家の親密な関係。延々と続くワークショップと詩の朗読会のシーンが、女性たちが抱える「秘密」をひもとく起爆剤として機能するなど、サスペンスとしての構造も秀逸。この長尺でこそ成立した作品であり、スクリーンで観てこそ4人の人生を生々しく追体験できる力作となっている。(編集部・石井百合子)
『ハッピーアワー』TAMA映画フォーラム特別上映会は6月11日、ベルブホールにて上映※途中休憩あり、各部入替制(第1部13:30~15:16・第2部15:30~17:06・第3部17:30~19:25)
5月7日よりチケット一般発売開始