世界最高の撮影監督はいかに『レヴェンナント』の美しい映像をつくりあげたか
レオナルド・ディカプリオ主演の映画『レヴェナント:蘇えりし者』に関するインタビュー映像が公開され、アカデミー賞史上初の3年連続撮影賞受賞を果たし「世界最高の撮影監督」との呼び声が高いエマニュエル・ルベツキが本作の映像美をいかにして実現したかを解説している。
息子を殺されて復讐に燃えるハンターを熱演したディカプリオが、悲願のアカデミー賞主演男優賞を獲得した本作。鬼気迫るディカプリオの演技のほかに観客を引きつけるのが、『ゼロ・グラビティ』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に引き続き、オスカーを獲得したルベツキが手がけた映像だ。
公開された映像の中で同作のアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督は、「ルベツキは私の友人であり、兄弟、相棒、教師でもある」と語り始め、今回の過酷な撮影でルベツキが「自然が持つ美しさや優雅さを逃すことなく捉えた」と賛辞を送る。そして一方のルベツキも「自然の中でカメラと俳優の動きを合わせるためにリハーサル期間を長く取った」と苦労を明かしつつ、「超広角レンズを使うことで観客に与える臨場感を極限まで追求した」と自信を見せている。
ディカプリオが「誰にでも撮影できるような単純な物語ではない。単なる旅ではなく一生分の感情の移り変わりがある」と評する本作を見事に撮りきったルベツキ。イニャリトゥ監督と3つのルール(「時系列に沿って撮影を進める」「自然光をクリエイティブな方法で使う」「長回しのなめらかで継続的な撮影法を『バードマン』とは全く違う効果を狙って利用する」)を決めて撮影に臨んだ「世界最高のカメラマン」が、見事な映像を作りあげた。(編集部・海江田宗)
映画『レヴェナント:蘇えりし者』は全国公開中