人工授精を検討中の30代女性が不倫
作家アーサー・ミラーさんの娘で俳優ダニエル・デイ=ルイスの妻レベッカ・ミラーが、監督作『マギーズ・プラン(原題) / Maggie's Plan』についてイーサン・ホーク、グレタ・ガーウィグ、ジュリアン・ムーアと共に、現地時間5日にニューヨークで行われたAOLのイベントで語った。
本作は、ニューヨークで暮らす30代のマギー(グレタ)が、子供を産みたい一心で人工授精も検討していたある日、風変わりな性格のジョージェット(ジュリアン)を妻に持つ教師ジョン(イーサン)と出会い恋に落ち、ジョンが離婚を決意したことからさまざまな家族の問題が生じていくさまをコミカルに描いたもの。
ジュリアンは脚本のある箇所に興味を持ったそうだ。「(子供が2人いる)ジョンとジョージェットは離婚後も共同で子育てをしている。実際にわたしたちの周りでも、離婚した人たちが子供のためにできる限りの努力をして、子供のために正しいことをしようとするでしょ。だから、ジョージェットが(マギーに)敵対心を抱かず、子供にリアルに接している点に惹(ひ)かれたの」。一方グレタは「ジョンの人生に登場する2人の女性マギーとジョージェットの関係が発展していく点が面白かった。さらに、人生においての結婚や子供は、とてもロマンチックな心と大きな(寛容な)心が必要だ、というその組み合わせに真実味があった」と答えていた。
今作では誰も辛辣(しんらつ)になったりせず、悪者のようなキャラクターがいない点が興味深い。レベッカは「マギーの視点からジョンを見ると、最初はとてもロマンチックな男に見えるけれど、すぐにイライラさせられる人物でもあることがわかり、それでもまた子犬のように可愛くも見えたりするの。実際に多くの人は、外見とは違ったもう一つの様相を持っていて、今作でも全てのキャラクターがそんな二面性を持っているため、どのキャラも悪者ではないし、純粋に良い人でもないわ」と説明した。
イーサンは、これまで出演した作品と違う点について「欠点を持ったキャラクターを、愛を持って描いていることだ。さらに自分の人生に何か問題が起きても、それは何かが間違っているわけではなく、問題が起きることこそがある意味人生の一部で、そんな問題に対してもユーモアのセンスを持っていたら、最終的には何でもうまくいくと思わせてくれるような作品だ」と語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)