審査員マッツ・ミケルセン「賄賂受け付けています」
第69回カンヌ国際映画祭
現地時間11日、第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門の審査員会見に映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で知られる審査員長のジョージ・ミラー監督(オーストラリア)をはじめ、マッツ・ミケルセン(デンマーク)、ドナルド・サザーランド(カナダ)ら全9名の審査員団が出席した。
今年のカンヌのコンペティション部門には、マッツ・ミケルセンの盟友であるデンマーク人監督ニコラス・ウィンディング・レフンの新作『ザ・ネオン・デーモン(原題) / The Neon Demon』が出品されている。審査をする上での影響を聞かれたマッツは「ニコラスのことは好きだし、彼の映画も好き。だけど他の映画と同じように観るよ」ときっぱり語ったかと思えば、「まあ、賄賂も受け付けています」とジョークを飛ばす。
この日は審査員の国籍に関する質問が多く、カナダ人のドナルド・サザーランドにもコンペ部門に出品されているグザヴィエ・ドラン監督(カナダ)について話してくれないかという要望が。しかし、ドナルドは「話しません」と一刀両断にすると、「ここは寒すぎる。背中が本当に寒いんだ」と煙に巻いていた。
さらにカナダ映画について聞かれ、「カナダ映画について話すのは随分前に諦めた」と切り出したドナルド。「有名な話がある。イギリス人、カナダ人、フランス人の兵士が捕まって、処刑される前に、最期の願いを一つ聞いてもらえることになった。イギリス人は紅茶を頼み、カナダ人は15分間カナダ人のアイデンティティーについて話したいと頼み、フランス人はカナダ人の前に処刑してほしいと頼んだ」とカナダ人の性質について話して会場を沸かせ、その後行われた開会式では、審査員長のジョージ・ミラー監督(71)に「審査員の中で一番ユーモアのセンスがあるのはドナルド(80)。彼は今でもいたずらっ子だ」といわしめていた。
このほか審査員を務めるのは、『メランコリア』のキルステン・ダンスト(アメリカ)、『レインマン』のヴァレリア・ゴリノ(イタリア)、『クリスマス・ストーリー』のアルノー・デプレシャン監督(フランス)、ジョニー・デップの元パートナーとしても知られる女優・歌手のヴァネッサ・パラディ(フランス)、『サウルの息子』のネメシュ・ラースロー監督(ハンガリー)、プロデューサーのカタユーン・シャハビ(イラン)。審査員長のミラー監督は「公正で厳密な審査をする。わたしたち9人は、9つの頭を持つ獣になるよ」と意気込んでいた。
第69回カンヌ国際映画祭は現地時間5月22日まで開催
コンペティション部門の授賞式は5月22日にムービープラスで生中継