蜷川実花、父・蜷川幸雄さんは「一番尊敬する人」
12日に肺炎による多臓器不全のため亡くなった、演出家・蜷川幸雄さんの通夜が15日、東京の青山葬儀所で執り行われ、藤原竜也、東山紀之、前田敦子、綾野剛、宮沢りえ、阿部寛、木村拓哉、小栗旬、松たか子ら1,576人が参列、長女で写真家の蜷川実花が報道陣の取材に応じ、幸雄さんをしのんだ。
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父親としての蜷川幸雄さんについて蜷川実花は「仕事も近い業界にいるものですから、娘父と言うよりは長男と父親のような関係だったんじゃないかなと思います」と振り返り、「一流のクリエイターが同じ家の中にいたというのはわたしにとってものすごくプラスであり、おそらくいろいろな影響を受けたのは父だったと思うので、父であり一番尊敬する人でありという感じです」と述懐。
演出家として厳しい指導で知られる蜷川幸雄さんだが、「優しい父でした。わたしの息子と仲良くて、孫とは見た事のないようなデレデレした甘い顔でいちゃいちゃしていました」と時折笑顔も浮かべながら懐かしんだ。
また、入院や亡くなった際にテレビ等で大きく報道されていたことに「これだけ愛されていたんだと毎日ひしひしと積もるように感じていました」と感謝の気持ちを語り、「亡くなる一週間か10日前までは『ありがとう』という言葉しか言っていなかったので、どこから切り取ってもきっと幸せな人生だったんだなと思います。とても悲しいけど受け止められたというか、いい人生だったんだなという感じです」としのんだ。
蜷川幸雄さんは1935年10月15日、埼玉県川口市生まれ。1955年に劇団青俳に入団し、1968年に劇団現代人劇場を創立。舞台「真情あふるる軽薄さ」(1969年)より演出家として活躍し、2001年に紫綬褒章、2004年に文化功労者、2010年に文化勲章を受章。『蛇にピアス』『青の炎』『嗤う伊右衛門』 などの映画作品も手掛けた。(取材・文:中村好伸)