日本製犯罪映画、覚せい剤の闇に切り込む!
覚せい剤の密売をする若者を主人公にした“ジャパニーズ・ノワール”映画『ケンとカズ』の予告編が公開され、現代日本の社会問題である覚せい剤の闇に切り込んだ映画の一部が公開された。
覚せい剤密売を軸に裏社会でしか生きられない男たちの哀しすぎる運命を描いた本作の主人公は、自動車修理工場を隠れみのに覚せい剤の密売をするケンとカズ。「恋人の妊娠」「認知症の母」というそれぞれの事情を抱えた2人の若者は悪に手を染め、次第に逃れることのできない窮地へと追い込まれていく。
お披露目された予告編では、狂気をまとって暴走するカズと、その暴走に最初は翻弄されながら次第に自らも悪に身を委ねることとなるケンのストーリーが緊張感とともに展開。迫真の演技のぶつかり合いはヒリヒリとした雰囲気を終始漂わせ、死や絶望と隣り合わせの犯罪者たちの日常が描かれている。
予告編からも日本製犯罪映画の迫力が伝わる本作だが、メガホンを取ったのは今回が長編デビューとなる新人監督の小路紘史。脚本・編集も担当し、ストーリーの中心を担うケンとカズには新人俳優のカトウシンスケと毎熊克哉を起用しており、『ライチ☆光クラブ』『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』などの話題作にも出演している藤原季節らが脇を固めている。
『青春の殺人者』『太陽を盗んだ男』などの長谷川和彦も絶賛する本作は、昨年の第28回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門で作品賞を受賞している。(編集部・海江田宗)
映画『ケンとカズ』は7月30日より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開