スタジオジブリ新作『レッドタートル』がカンヌでスタンディングオベーション!
第69回カンヌ国際映画祭
現地時間18日、第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品されているスタジオジブリ最新作『レッドタートル ある島の物語』の公式上映が行われ、鈴木敏夫プロデューサーとオランダのマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督が出席した。上映後に盛大なスタンディングオベーションが送られると、二人は顔をほころばせてがっちりと握手を交わした。
『レッドタートル ある島の物語』は、嵐で難破し、ウミガメやカニや鳥たちが暮らす無人島に流れ着いた男の姿を描いたアニメーション映画。セリフはなく、時に穏やかで時に荒々しいアニメーションと音楽で人間の一生を見せる。『岸辺のふたり』でアカデミー賞短編アニメ賞に輝いたデュドク・ドゥ・ヴィット監督とジブリがタッグを組み、企画のスタートから足掛け10年でカンヌでの上映を迎えた。
海外での人気も高いジブリ作品だけあって、本編に入る前にスタジオジブリのトトロのロゴがスクリーンに映し出されるや会場は大盛り上がり。上映後には熱狂的なスタンディングオベーションが送られたことについて、鈴木プロデューサーは「うれしいですよね。終わった途端にお客さんが一人も居なかったら寂しいから(笑)。だからすごくうれしかったです」とにっこり。「今まで5月にジブリの映画ができたことがなかったので、カンヌはもう縁がないと思っていたんですよ。ところがマイケルの映画がちょうどその時期に当たったので、カンヌへやって来られました!」と念願かなった様子だった。
一方のデュドク・ドゥ・ヴィット監督も「巨大な劇場で、千人ものお客さんが居て、全ての人が本当に映画に集中してくれて、これ以上素晴らしいことはないです」と感激。高畑勲監督、鈴木プロデューサーをはじめとしたジブリとのコラボレーションについて「何かを強要されたことはありませんし、ジブリさんがわたしの仕事を尊重してくれ、信頼関係の中で作業が進んでいったということが一番大きかったです。わたし自身、長編の経験がなかったので、高畑さんや鈴木さんからいただいたのは大変貴重な意見ばかりでした」と振り返っていた。(編集部・市川遥)
第69回カンヌ国際映画祭は現地時間5月22日まで開催
映画『レッドタートル ある島の物語』は9月17日より全国公開