実写版『少女椿』が立ち見の出る満席で初日!中村雅俊の娘も初主演作に晴れやかな顔!
毒々しさと耽美的な世界観が入り交じった物語がカルト的な人気を誇る丸尾末広のコミックを実写化した『少女椿』の初日舞台あいさつが21日、シネマート新宿で行われ、中村里砂、風間俊介、森野美咲、武瑠、佐伯大地、そしてTORICO監督が来場、晴れやかな表情を見せた。
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サーカス団に入団した孤独な少女が送る過酷な日々を描き出した「少女椿」は、これまでアニメ映画化、舞台化は実現したものの、実写映像化は不可能だと言われてきた企画。そんな中、短編映画『ミガカガミ』が国内外の映画祭で数々の賞を獲得したTORICO監督が7年もの時を費やし、実写化に奔走。ついに実写映画化を果たした。立ち見の出る会場の様子を見渡したTORICO監督は、「『少女椿』を作る間は自分のすべてをささげてきました。だからようやくここまで来たという感じですが、まだ途中なので、これからだと思います」と感慨深い様子。
3週間の撮影は過酷で、苦労が多かったと振り返るTORICO監督は、「撮影時間が短いわりにはカット数、シーン数も多かった。スタッフの言葉を借りると、戦争に行くようだったと。寒くてひもじくて眠い」と述懐。風間も「確かにそうだなと思います。本当にみんな、極限まで追い詰められていましたが、そういう作品なので、それはそれでいいのかな」とその意見に同意。超能力を使うワンダー正光という役柄を演じたことについて、「不安もありましたが、完成品を見て、すごい力がある作品だと思った。撮影中はちょっとやりすぎたかなと思いましたけど、まわりのキャラクターも強かったのでちょうどいいのかなと思いました」と振り返った。
主人公のみどりに抜てきされた中村は、中村雅俊、五十嵐淳子を両親に持つサラブレッド。「演技初挑戦で初主演という大役をいただきましたが、スタッフ、キャストの皆さんのおかげでこの日を迎えることができました。特にみどりちゃんは、原作ファンが多くて、とても難しい役で葛藤もありましたが、わたしなりに解釈して頑張りました」とあいさつ。「両親からは何か言われたのか?」という質問には、「いつもはわたしの仕事に対して何も言わない両親が、家に帰るたびに、どうだったかと興味を持ってくれた。まだ映画は観せていなくて、恥ずかしいですけど、でも自分が初めて作品に出させてもらって、両親の仕事に対しても、大先輩としてあらためて尊敬の気持ちが生まれました」と思う所も多かったようだ。(取材・文:壬生智裕)
『少女椿』はシネマート新宿ほか全国順次公開