カトリーヌ・ドヌーヴ、ゴリラと恋に落ちる主婦役を即快諾!?
映画『八日目』『ミスター・ノーバディ』などで知られるベルギーの名匠ジャコ・ヴァン・ドルマル監督が先月中旬、新作『神様メール』のプロモーションのために来日し、名女優カトリーヌ・ドヌーヴがゴリラと恋に落ちるなど、奇想天外なアイデア満載の同作について語った。
神様は家族と一緒にブリュッセルのアパートに住んでいて、パソコンでいたずらに世界を支配している。ある日、彼の10歳の娘イアが、パソコンを勝手に操作して全世界の人々に余命を知らせるメールを送ってしまったことで街は大パニックに……。そんな世界を救おうと、彼女はヘンテコな奇跡を起こしていく。
なんといっても“ブリュッセル在住の神様”という設定に惹きつけられるが、「それが最初に浮かんできたアイデアなんだ。神様が実在して、さらには普通の人間というね」と本作の根幹をなしていることを語る監督。そのアイデア自体は『ミスター・ノーバディ』の製作中に思いついたそうで、「思い浮かんだものを書き留めておくんだ。アイデアがふわふわと浮かんでくるから。書き留めたものを箱に入れておいて、映画作りのときに読み返して、10年後にそれが採用されたり」と監督にとっての魔法箱のような存在を明かす。笑顔で「神様の住所を知りたかったら僕が教えましょう」となんともチャーミングな発言も飛び出し、監督そのものがおとぎ話の登場人物のようだ。
また、名女優カトリーヌがまさかのゴリラと結ばれることでも話題となっていた本作。そんな奇想天外な役をどのようにオファーしたのだろうか……。「実はオファーしたときにどういう役か説明しなかった。すぐにオッケーがでたからね。あいにく彼女が演じる役柄を知ったときにどういうリアクションをしたのかも知らないんだ。彼女はすごくユーモアがあって、何でも怖がらずにやる人だ。人生の中で何百という役をこなしているから、たまには変わった役もやりたかったんじゃないかな」とカトリーヌの気持ちを冗談交じりに察してみせる。
そして、そんな名女優に引けを取らず堂々と主演をはっているのが、オスカー女優マリオン・コティヤール主演『サンドラの週末』(2014)で映画デビューしたばかりの子役ピリ・グロワーヌ。もともと知り合いだったという監督は、彼女が6歳くらいのころ、自宅での夕食会に招かれ、そこでピアノを演奏している彼女に感銘を受けたそう。「子役っていうのは本当に素晴らしくやってくれるか、全然ダメかどっちか」とぶっちゃけつつも、「彼女は自分の感情をうまく引き出すような知性があって、そういう意味では女優としての本質を備えている人」と称賛していた。(編集部・石神恵美子)
映画『神様メール』は5月27日よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開