人類史上最も高度な人工知能…人間は従わせることができるのか?
人間と人工知能が繰り広げる駆け引きを、限られた登場人物と舞台設定で描き、第88回アカデミー賞視覚効果賞を受賞したSFスリラー『エクス・マキナ』からインタビューを含む特別映像が公開され、本作でメガホンを取ったアレックス・ガーランド監督が人間と人工知能の主従関係に対する意見を語る一幕が披露された。
検索エンジン世界最大手の会社に勤めるプログラマーのケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、ほとんど人前に姿を見せない社長のネイサン(オスカー・アイザック)が所有する山荘に招かれる。人里離れた山間の別荘を訪ねると、女性型ロボットのエヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)が姿を現す。そこでケイレブは、エヴァに搭載された世界初の実用レベルとなる人工知能の実験に手を貸すことになるが……。
『28日後...』などダニー・ボイル監督作の原作者・脚本家として知られているアレックスが、初めて映画監督を務めた本作。アリシアをはじめとする旬の実力派俳優たちが集結していることも話題となったが、なんといっても少ない登場人物とロケーションで、VFXを駆使したスタイリッシュな映像を作り上げ、果ては人間と人工知能の主従関係を巡る心理に切り込んでいく圧倒的な108分となっている。
今回公開された映像では、「アレックスは切れ者の脚本家よ」とアリシアが語るように、ハリウッドトップクラスの脚本家と言っても過言ではないアレックスが、本作で自ら投げかけた主題について語る姿が印象的だ。「意思を持った機械が存在したら、それは人と同じ権利を持つはずだ。機械の意志に反して幽閉すれば、倫理的な問題が生じる」「我々は原始人の立場を奪い台頭したわけだが、特に罪悪感はない。AIのほうが利口で寿命が長いなら、操作する権利などあるだろうか」。人工知能とのやりとりを通して人間の実態が浮き彫りにされていく。(編集部・石神恵美子)
映画『エクス・マキナ』は6月11日よりシネクイント他にて全国公開