斎藤工、ダジャレで 出演作2本が結ばれたと満面の笑み
俳優・斎藤工が、11日、有楽町スバル座で行われた映画『団地』のトークイベントに、阪本順治監督とともに出席。多くの映画賞に輝いた映画『顔』(2000)の女優・藤山直美&阪本監督が16年ぶりにタッグを組んだ本作で、従来のイメージを覆すような不可思議でおかしみある役柄に挑んだ斎藤は「阪本作品に出演が決まったと、父親に話したら、父は飛び上がって喜んでくれまして」とプライベートのエピソードを披露し、阪本組初参加の喜びを語った。
斎藤工 出演作『団地』と『高台家の人々』2作がダジャレで結ばれたと満面 画像ギャラリー
ある団地に引っ越してきたいわくありげな夫婦と、彼らの秘密を暴こうとする住人たちが巻き起こす騒動をコミカルに描き、二転三転するストーリーが、想像もしない方向へ展開する本作。主演の藤山をはじめ、岸部一徳、大楠道代、石橋蓮司ら名だたる俳優が揃う中、斎藤は人間離れした立ち居振る舞いをする謎の訪問者・真城を演じる。
斎藤は「父親が映像関係の仕事をしていたので、思春期に会話がなくなった時も、唯一映画の話だけは、父とすごい勢いでできたんです。父は阪本監督が次に何を撮るか、いつも注目していて、こういう監督こそ日本に必要なんだって熱弁を振るう。我が家の映画の話は、阪本監督の話が中心だったし、僕のデビューの年にちょうど『顔』が公開されたんですよ」と、思いを披露。
熱い言葉に阪本監督は「それって、ホントかなあ?』と照れ笑いを浮かべつつ「工くんのブログ(「斎藤工務店」)で、俳優の原田芳雄さん世代へのリスペクトをすごく感じて、原田さんの遺作(映画『大鹿村騒動記』)を撮った縁もあり、工くんに(出演を)お願いしようと思ったんです」と話し「今日のこのジャケット、実は原田さんの形見分け。アルマーニなんだけど、にせものではアルマーニ」とダジャレも交えて、会場を沸かせる。
これに斎藤も「(自身が出演の)『高台家の人々』と本作は同日公開で、向こうのスタッフの間で、本作に登場するダジャレ「準備万端、バルタン星人」が流行っているらしいんです。2作が垣根を越えてクロスした瞬間をうれしく思いました。僕の役は、ある意味、監督の死生観を代弁するもので、監督からバトンをいただいた気もします。ポスタービジュアルからは思いもよらぬ展開の作品ですが、これぞ映画のマジック。本作が起こすムーブメントを楽しんで」とメッセージを送っていた。(取材/岸田智)
映画『団地』は有楽町スバル座、新宿シネマカリテほか全国公開中