『アバター』監督との友情!『ジャングル・ブック』映像美の秘密
人間モーグリ以外、動物も大自然も全てCGという最先端のテクノロジーで圧倒的な映像を実現したディズニー実写映画『ジャングル・ブック』が全米で大ヒットを記録しているが、その成功の裏には、本作でメガホンを取ったジョン・ファヴロー監督と、『アバター』のジェームズ・キャメロンの間に交わされたある約束があるそうだ。
ジャングルの動物たちに育てられた少年モーグリが、一匹のトラとの出会いを通して壮大な冒険に身を投じる姿を描く本作。モーグリにジャングルで生きる術を教える黒ヒョウのバギーラ、人間の少年に惜しみない愛情を注ぐ母オオカミのラクシャ、彼と強い絆を結ぶ自由気ままな性格のクマのバルー、人間を憎悪しモーグリの命を狙うトラのシア・カーンなど、個性豊かな動物たちがフルCGであることを忘れてしまうほどリアルだ。
圧巻の映像が称賛されている本作のファヴロー監督は、世界歴代興行収入トップに君臨する『アバター』の技術を惜しみなく活用したそうだ。友人同士であるファヴロー監督とキャメロン監督の間には、“技術は隠さず共有する”という約束があり、『アバター』公開当時、作品をいち早く鑑賞したファヴロー監督はキャメロン監督本人から、製作のプロセスを教えてもらっていたという。
そんなファヴロー監督が本作で引き継いだ最新技術は、“インターアクション”と呼ばれる実写とCGの融合。これはキャメロン監督が『アバター』で開発した技術で、実写のモーグリがCGで表現された母オオカミの毛を撫でるシーンなど、実写とCGの境を分からなくさせるもの。『アバター』では、このインターアクションを駆使したシーンは3つほどだったと言われているが、本作ではほぼ全てのシーンで使用されている。
ファヴロー監督が「僕らは次のフィルムメイカーを手助けしようと思っている。お互いに技術を借り合うんだ。だから、もしも誰かに“この表現はどうやったの?”と聞かれたら、僕らはそれを秘密にしない」と語っているように、よりよき作品作りのために、映画を愛する者同士が、力を貸し合う姿に胸が打たれるエピソードだ。(編集部・石神恵美子)
映画『ジャングル・ブック』は8月11日より全国公開