松岡茉優、人気声優・入野自由との“奇跡の出会い”明かす
『映画「聲の形」』完成披露上映舞台あいさつが24日に都内で行われ、女優の松岡茉優、声優の早見沙織、山田尚子監督が登壇、人気声優・入野自由と同一人物を演じた松岡は、入野との“奇跡の出会い”によって少年という難役を務めあげられたことを打ち明けた。
本作は、数々の賞に輝いた大今良時のベストセラーコミックの劇場版。小学生時代、聴覚障害を持つ転校生・西宮硝子とのある出来事がきっかけで孤立したガキ大将の石田将也が、高校生になって少女や自分を受け入れようと奮闘する姿を描いた、心に響く切ない青春物語。『けいおん』シリーズなどの山田監督がメガホンを取り、『ガールズ&パンツァー』シリーズなどの吉田玲子が脚本を手掛けた。
将也の小学生時代の声を担当した松岡は、「最初は、どうしてそんなこと(いじめ)するんだよ~と思ったけど、ずっと(将也と)向き合っていると、無垢で純粋で愛すべき存在だとわかりました」と将也に愛着を持ったことを告白。さらに「ここに出てくるキャラクター全員が苦手だったのですが、観終わったあとは大好きになりました」と語ると、「それは普段の人間関係に似ているのかな。最初から全員のことを大好きと思えないし、わたしのことが嫌いな人もたくさんいると思うんですけど、観た後は隣にいる人を好きだなぁと思える気がします」と博愛の心を持てる映画であることをアピールした。
また、早見が「幼少期の硝子と将也がつかみ合い、ぶつかり合って心を伝え合うシーンが印象的。このシーンが『聲の形』の核になっているのかな……」と明かすと、松岡も「お互い、子供で何を言っているかわからないけど、すごい打ち合って感じ合ってて、私も大好き」と同調。しかし、「泣きながらやっていたら、その後の大事なセリフで声が出なくなった」そうで、「5文字くらいのセリフで30~40分粘りました」と苦労もにじませた。
この日は、高校生時代の将也を演じた入野からのビデオコメントも紹介され、松岡は「アフレコ現場で一瞬だけお会いできて、それがかけがえのないものになりました」と述懐。松岡が入野の将也の声を聞いた後で収録したものが、山田監督にとって腑に落ちたものになったそうで、松岡は「入野さんの声が聞けたから、後半戦ができたと思っています」と笑顔。山田監督は「(小学生と高校生の将也が)一人になったんです。すごかったです。(松岡と入野が)奇跡的な出会いをしているなぁと思いました」と感動しきりだった。(取材/錦怜那)
『映画「聲の形」』は9月17日より全国公開