『インデペンデンス・デイ』監督が描くゲイバーの反乱!今冬日本公開
映画『インデペンデンス・デイ』のローランド・エメリッヒ監督が1969年に起きた「ストーンウォールの反乱」を基に描いた人間ドラマ『ストーンウォール』が今冬日本公開されることがわかった。「ストーンウォール・イン」はニューヨークにあるゲイバーで、当時迫害を受けていたLGBTの人々と警察とが衝突した「ストーンウォールの反乱」をもってアメリカにおけるLGBT権利獲得運動が加速することになった。
ゲイであることを公表しているエメリッヒ監督が「ホームレスの40%がセクシャルマイノリティの若者である」という統計に衝撃を受けて本作の製作に興味を持ったことがそもそもの始まりで、「自分自身がゲイだから、全ての疑問に自分が答えられると思った」と満を持して取り掛かった。今年6月には事件の舞台となったゲイバー「ストーンウォール・イン」とその周辺がオバマ大統領によって国定文化遺産保護地域に指定されたばかりでもある。
主人公は、インディアナの田舎町からニューヨークのゲイの街クリストファー・ストリートへやってきたゲイのダニー(『戦火の馬』のジェレミー・アーヴァイン)。両親に見放され、追われるように故郷を出た孤独な彼を迎え入れたのは、美しさを武器に体を売って暮らすゲイのギャングを率いるレイ(「ナイトメア2 ~血塗られた秘密~」のジョニー・ボーシャン)だった……。ゲイバー「ストーンウォール・イン」を舞台に、社会的に認められないことに傷つきながらも必死で自分の居場所を探そうとひたむきな青年たちと彼らが生きたその時代が、丁寧に、そして時に痛烈に描かれている。
そのほか、ダニーが惹かれていくハンサムで聡明な活動家トレバー役で『マッチポイント』のジョナサン・リス・マイヤーズ、ゲイバーの経営者でギャングのエド役で『パシフィック・リム』のロン・パールマンも出演。ヒッピーカルチャーや反戦運動、公民権運動の高まりなど、時代の転換点となった1960年代後半のヒットサウンドも当時のアメリカの空気感を生き生きと再現している。(編集部・市川遥)
映画『ストーンウォール』は今冬、新宿シネマカリテほかにて全国公開