もし女子大生がドラッグディーラーと付き合ったら?
今年のサンダンス映画祭の話題作『ホワイト・ガール(原題) / White Girl』について、エリザベス・ウッド監督、主演のモーガン・セイラーとブライアン・“セネ”・マルクが、現地時間8月22日にニューヨークのクロスビー・ストリート・ホテルで開催された記者会見にて語った。
ニューヨークのクイーンズに友人と引っ越してきた女子大生リア(モーガン)は、ヒスパニック系ドラッグディーラーのブルー(ブライアン)と恋に落ちたことから、彼と共にドラック漬けのパーティー三昧の生活を送り始めるが、ブルーが逮捕されたことで大量のドラッグがリアの手元に残され、ブルーを釈放させるためにドラッグを売って弁護士を雇う決意をする。
今作は、実際に起きた出来事なのか。「わたしの伝記映画ではないけれど、実際の出来事に影響を受けて製作した物語。主演モーガンには、このストーリーがわたしの内面のどこから来たものかを適切に説明したけれど、彼女はわたしの体験談を基に役柄を形成しないようにすることが重要だった。彼女自身でキャラクターを作り上げ、彼女自身で試しながら映画制作をすることを勧めた」とエリザベスは語った。
ドラッグディーラーを演じるうえで困難だったことについて、ブライアンは「今作の内容はとてもよく認識している。僕はブルックリンで育ち、18年間(高校卒業を)待ってからカリフォルニアに引っ越して音楽のキャリアを築き、再び撮影でこの地に戻ってきた。脚本を読んだ際に、自分が離れたかったドラッグの世界を掘り下げていく過程で、今作に関わりたい衝動に駆られた。今作は自分の人生を描いた作品ではないが、おそらく今作に出演した俳優の中で最も今作に描かれた世界を知っているため、典型的なドラッグディーラーのイメージを持つ映画『ジュース』でトゥパック・シャクールが演じたビショップ役のようにはならないように気をつけた」と明かした。
女流監督エリザベスについてモーガンは「エリザベスは俳優同士がお互いに心を開ける状況を作り上げてくれた。彼女自身もオープンで、それは今作のストーリーを通して観客にも伝わっているはず。それに彼女がオープンであることで、われわれ俳優陣が大学1年や高校生の時にやった恥ずかしい話もオープンにできて、打ち解けられた」と答え、そんな環境づくりから過激なラブシーンやドラッグ漬けの精神状態も、安心して演じられたそうだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)