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本木雅弘『おくりびと』以来7年ぶりの主演作で新境地 キャスティング秘話

7年ぶりの本木雅弘のキャスティング秘話を明かした(左から)西川美和監督、西川朝子プロデューサー、北原栄治プロデューサー
7年ぶりの本木雅弘のキャスティング秘話を明かした(左から)西川美和監督、西川朝子プロデューサー、北原栄治プロデューサー

 『ゆれる』『ディア・ドクター』の西川美和監督が4日、Apple Ginzaで行われた最新作『永い言い訳』公開記念「Meet The Filmmaker」トークイベントに来場、『おくりびと』以来7年ぶりとなる俳優・本木雅弘のキャスティング秘話を明かした。この日はバンダイビジュアル西川朝子プロデューサー、映画制作会社・分福の北原栄治プロデューサーも来場した。

『おくりびと』以来7年ぶりの主演作となった本木雅弘のキャスティング 画像ギャラリー

 第一線で活躍する映画作家の声が聞ける本イベント。今回登壇するのは、デビュー作以来一貫して完全オリジナル作品に挑み、このたび直木賞候補ともなった小説「永い言い訳」を自身で映画化した西川監督だ。『永い言い訳』は、妻をバス事故で失った人気小説家が、同じバス事故で命を落とした遺族と交流を深める中で新たな感情を見いだしていくさまを描き出した物語。本作で主演を務める本木が演じるのは、ゆがんだ自意識に溺れる小説家・衣笠幸夫だ。

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 本木にとってもこれまでのイメージを覆すような新境地ともいうべき役柄となったが、そのキャスティングについて「わたしはデビュー作から本木さんとやりたいと思っていた」と振り返った西川監督。分福を一緒に立ちあげた師匠的存在である是枝裕和監督に原作小説を読んでもらったところ、「本木さんは(主人公の)幸夫にそっくりだよね。本木さんとも海外の映画祭でご飯を食べたことはあったけど、いろいろなところがある人なんだけど、でもどこか憎めない、不思議とチャーミングな人なんだよね」と言われたという。

 そんな是枝監督の言葉に、西川監督も「だったら幸夫役にいいかも」と思うようになったという。西川監督自身、「是枝さんは(本木の義母である)樹木希林さんと仲がいいし、(娘の)内田伽羅ちゃんともやったことがある」と語るなど、是枝監督を通じてその縁を少なからず感じていたようだ。

 そこで満を持してオファーを出したところ、「本木さんは3時間近く『本当にわたしでいいの? 西川さんは本当はわたしとやりたいと思っていないでしょう』と延々と話し続けて帰っていった。その時にこの役は絶対に本木さんしかいないなと思いましたね」と述懐。ニンマリとした笑顔で「今回のキャスティングは当て書きと言われるくらいに成功していると思います」と付け加えた。(取材・文:壬生智裕)

『永い言い訳』は10月14日より全国公開

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