虐待で家出…ホームレス&パニック障害に 歌手ジュエルの苦労
デビュー・アルバム「心のかけら」が米国で1,200万枚を売り上げた歌手ジュエルが、テレビシリーズ「アラスカ:ザ・ラスト・フロンティア(原題) / Alaska: The Last Frontier」の第6シーズンと自身の過去について、9月21日(現地時間)ニューヨークのAOL開催のイベントで語った。
同番組は、アラスカ州ホーマーに住むスイス移民を先祖に持つキルチャー家が厳しい自然環境の中で生活する姿を捉えたもの。
出演の経緯をジュエルは「実は、(アラスカに住む)わたしの家族(弟)がこの番組に発掘されたの。ある日、弟から電話で、リアリティー番組と契約する寸前だと伝えられたの。そこでわたしは『その番組のプロデューサーがわたしに電話をくれるまで、まだ契約にサインしないで』と彼に伝えたの。ところがその番組から連絡は入らず、エージェントに連絡をさせたら、その番組の人たちは、(弟が)わたしの家族だとは知らなくて、ものすごく驚いていたわ。自分の育ったアラスカの環境が世間に知られるのは良いことだと思い、わたしも番組への参加を決めたの」と明かした。
昨年、自叙伝「ネバー・ブロークン:ソングス・アー・オンリー・ハーフ・ザ・ストーリー(原題) / Never Broken: Songs Are Only Half the Story」を出版したことについて「虐待を受けていた環境から15歳で家を出て、18歳でホームレス、パニック障害になったり、盗みもしたこともあって、そんな状況をどうやって改善できたのか頻繁に質問されてきたわ。この本には、自己管理と自己の本質が対比されていて、自分を大切に管理できなければ、自分の本質も理解できないことや、幸福ということが教えられていない家庭で、自己管理ができるのかが記されているの」と説明した。
その苦労した時期とは「わたしが8歳のときに母は家を出て、父がアルコール依存症となり、虐待し始めた。でも歌うことが好きなわたしは15歳から、怪しげな人たちがいるようなバーで(親に)監視されずに歌い始めた。ただ(教養もない)わたしのような15歳の家出少女は、ドラッグ依存症やストリップダンサーになるか、どこかの排水溝に捨てられている可能性もあった。実際には、それらを避けて3年間生きていたけれど、働いていたバーの上司とのセックスを断ったら、クビにされてしまい、しばらく車に住んでいたけれど、その車も盗まれて、ホームレスになったの。かなり困難な時だった」と振り返った。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)