登坂広臣、役者をやるべきか悩んでいた 背中を押したTAKAHIROの存在
EXILE TRIBE の総合エンターテインメントプロジェクト「HiGH&LOW」の映画第2弾『HiGH&LOW THE RED RAIN』で、EXILEのTAKAHIROと共に主演を務めた三代目 J Soul Brothers の登坂広臣。2014年の映画『ホットロード』で、能年玲奈(現・のん)演じるヒロインの相手役に抜てきされて以来、アーティストと俳優、二つのジャンルで活躍する登坂が、「役者をやっていいのか悩んだ時期があった」と今だから話せる真実を打ち明けた。
本作は、舞台となるSWORD地区で最強と称されていた雨宮兄弟の次男・雅貴(TAKAHIRO)と三男・広斗(登坂)、そして二人が行方を捜していた長男・尊龍(斎藤工)の謎に迫るアクション巨編。「2か月くらいの撮影期間、精いっぱい役と向き合った作品。前作とはまったく違う世界観を作り上げることができて、うれしく感じています」と公開を迎えるよろこびを口にする登坂だが、実は役者の道に踏み出すまでには相当な葛藤があったそうだ。
「3年ほど前に初めて映画『ホットロード』のお話を頂いたときは、ボーカルがお芝居をやるのはどうなのかな? と考えてしまう部分があったんです。ボーカルは直接言葉を歌にして伝える立場でもあるので、僕が役者をやることで三代目の雰囲気が変わってしまうかもしれないという危惧もあり、慎重になっていました。HIROさんからは登坂の好きな方を選べばいいと言っていただきました」と振り返る登坂。当時、EXILE TRIBE の中で俳優デビューをしていたのは、EXILE AKIRA、岩田剛典といった、言葉ではなく体で表現するパフォーマーばかりだったため、ボーカルの自分はどうするべきなのか、思い悩んでしまったという。
そんな登坂の迷いを吹き飛ばした人物こそ、2014年にテレビドラマ「戦力外捜査官」で俳優デビューを果たしたTAKAHIROだった。「僕と同じくボーカルのTAKAHIROさんが役者にチャレンジすると聞いて、勝手に“背中を押された”と感じたところがありました。身構えているだけよりは、新たに挑戦していくことが次のステップになるのだろうなと思えたんです」。ちなみにTAKAHIROからは「アーティスト活動に生かせる何かがあるかもしれないから、自分は役者をやる。登坂もやった方がいい」とアドバイスされたそうだ。
「TAKAHIROさんの存在があったからこそ、今の僕があるんです」としみじみ語る登坂は、そのTAKAHIROと本作で兄弟を演じたことに「運命的なものを感じた」という。ほぼ同時期に“役者に挑む”と決意したボーカル同士で、プライベートでも親しい二人のリアルな絆が、運命共同体的な関係である雨宮兄弟に投影されているようだ。(取材・文:斉藤由紀子)
映画『HiGH&LOW THE RED RAIN』は公開中