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松山ケンイチ、性格さえも変わった…大幅増量した驚異的役づくりの裏側

すっかり体重も戻った松山ケンイチ
すっかり体重も戻った松山ケンイチ - 写真:杉映貴子

 29歳の若さでこの世を去った将棋の天才・村山聖の最後の日々を描いた映画『聖の青春』で、村山を演じた松山ケンイチ。実在の人物を表現するにあたり、挑んだ渾身の役づくりは、見かけだけでなく松山自身の性格さえも変えてしまったと打ち明ける。

【写真】大幅増量した松山ケンイチ

 松山にとって本作への出演は、自身の演技の原点に立ち戻る体験だったという。「自分の“生”と向き合い、命を燃やすという覚悟を、11年前の『男たちの大和/YAMATO』以来、考えさせられた」と話す松山は、並々ならぬこだわりを持ってその覚悟を体現した。

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 演じたのは実在した人物。実際の村山の外見に近づくために、体重を大幅に増量させて撮影にのぞんだ。「本当の村山さんの体重には追いつけなかった」そうだが、「体型が変わると、周囲の人に対する考え方や、生活のリズム、歩き方もすべてゆったりする」と予想外の変化に気がついたという。「寒さにも抵抗力がついて、風邪もひかなくなった。やせているときはギスギスしていたのかな」と肉体と共に内面も変わっていったと打ち明ける。

東出昌大の劇中姿は羽生善治そのもの! - 写真:杉映貴子

 一方で、現在も将棋界の中心で活躍する羽生善治を演じたのが東出昌大だ。羽生は村山の生涯のライバルとして描かれる。羽生本人に会い、彼が使っていたメガネを譲り受けて演技に挑んだ東出は、対局中に頭をかいたり、メガネに触れたりする羽生のクセを完璧に再現した。「亡くなった村山さんと違って、演技の参考になるものはたくさんあって、どれだけ近づけるかはチャレンジでした。羽生さんにお会いして、その存在と志すものの大きさのレベルの違いに圧倒されたんです」と東出は“畏怖”のような感情に包まれたことを告白する。

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 「村山さんが病気だと知っていても、羽生さんは絶対に対局で手を抜かなかった。その尊敬と愛情を忘れずに演じた」と東出が打ち明ければ、「東出くんの小手先だけじゃない演技が、僕の心にも火をつけた」と松山が語るように、村山と羽生による伝説の対局シーンは、2人の渾身の演技によって息もつけない緊迫感がみなぎっている。

“パパ”トークも弾んだ2人 - 写真:杉映貴子

 村山聖の生きざまから受けた感動を、多くの観客に伝えたいという松山の思いと、それに必死に応えようと羽生善治を全身全霊で演じた東出。2人の役者魂は、『聖の青春』にしっかりと刻み込まれている。(取材・文:斉藤博昭)

映画『聖の青春』は11月19日公開

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