カンヌが泣いた!ケン・ローチのパルムドール受賞作『わたしは、ダニエル・ブレイク』3月日本公開
第69回カンヌ国際映画祭で最高賞にあたるパルムドールを受賞したケン・ローチ監督作『I, Daniel Blake』の邦題が『わたしは、ダニエル・ブレイク』に決まり、2017年3月18日より日本公開されることが明らかになった。
前作『ジミー、野を駆ける伝説』をもって映画界からの引退を表明していた巨匠ローチ監督だが、母国イギリス、そして世界中で拡大しつつある格差や貧困にあえぐ人々を目の当たりにし、どうしても伝えたい物語があると引退を撤回してまで作り上げた本作。英ニューカッスルを舞台に、心臓発作を起こして医師から大工の仕事を続けられないと診断されるも役所には働けると見なされたダニエル・ブレイク59歳の奮闘が、ひょんなことから彼が手を差し伸べることになる若きシングルマザー・ケイティの姿と共に映し出される。
明るく前向きなダニエルの姿に何度も笑わされるが、突如として訪れる貧困のあまりの過酷さを切り取ったシーンにはカンヌも涙、涙……。見事『麦の穂をゆらす風』に続き、自身2度目となるパルムドールを受賞した。10月21日より公開されたイギリスではローチ作品史上最大のヒットを記録し、労働者や社会的弱者に寄り添い、彼らを取り巻く厳しい現実と、そんな中でも懸命に生きようとする人々を描き続けてきた彼の集大成であり最高傑作との声が上がっている。(編集部・市川遥)
映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』は2017年3月18日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか順次公開