“プロデューサー”トム・クルーズのすごさ!強い女性キャラを生み、監督を徹底サポート
トム・クルーズ主演映画『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』のエドワード・ズウィック監督が来日し、「彼は自分のことではなく、常に映画のことを考えている」というプロデューサーとしてのトムのすごさについて語った。
第1弾『ミッション:インポッシブル』(1996)でプロデューサーデビューを果たして以降、数々の作品をプロデュースしてきたトム。『ラスト サムライ』(2003)に続いて主演兼プロデューサーのトムと仕事をしたズウィック監督は「彼は、監督が作りたい映画を作れるように助けるプロデューサーになりたいと思っているのだと思う」と分析する。「やりたいことに資金足りなかったら、彼は一緒になってスタジオと闘ってくれる。時間が足りなかったら、どうすればその時間を作り出せるか一緒に考えてくれる」と監督のビジョンを何よりも優先してくれるのだという。
ジェンダーの問題が近年ハリウッドで大きなトピックになっているが、トム主演作には『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のエミリー・ブラント演じるリタ、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のレベッカ・ファーガソン演じるイルサと強く自立した女性キャラクターが登場する。「強い女性の共演者というのが、彼にはとても魅力的なんだ。そして彼は、共演者がよりよいと映画もよりよくなり、彼自身もよりよくなるということを知っている。今回、彼はそれを二つ手に入れたね。彼に歯向かうことを恐れない女性が二人出てくる」。
その一人は、『アベンジャーズ』のコビー・スマルダースふんするアメリカ軍のターナー少佐。ズウィック監督はコビーと共に実際に軍で役職に就く女性たちに会い、どんなトレーニングをしなくてはいけないのか、女性がそのポジションに就くまでにどんなことがあるのか、「男性と同等な女性」を描くべくリサーチを重ねた。劇中ではトムに一歩も遅れることなく全力疾走するコビーの姿を見ることができるが、二人は乗り物に乗ったカメラマンを追い抜いてしまうほど足が速かったとズウィック監督は笑う。
もう一人が、「HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン」のダニカ・ヤロシュ演じるリーチャーの娘とされる15歳の少女。「トムはダニカのことをとても気に入っていた。彼女は学生で、映画づくりのことならなんでも知りたいと思っていたから、彼は教えてあげていたよ。あと彼女はオートバイや飛行機の飛ばし方を学びたいと思っていて、それって彼が大好きなことだからね。だから彼女は、彼に昔の自分自身を思い出させたのだと思う」とトムの少女版というべきダニカも、劇中で彼を大いに振り回す。主演でありながら、共演者や監督の魅力を引き出すプロデューサーでもあるトムの手腕が見事に発揮された作品となっている。(編集部・市川遥)
映画『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』は公開中