ハリポタ新シリーズの悪役は、右手で誘惑して左手で喉を切り裂く!
映画『ハリー・ポッター』シリーズおよび新シリーズ『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』のプロデューサー、デヴィッド・ハイマンが来日し、新たな悪役グリンデルバルドについて口を開いた。(以降、ネタバレ有り)
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原作者で脚本家のJ・K・ローリングが、1926年から1945年までを5部作で描く予定だと明かしている本シリーズ。グリンデルバルドは『ハリー・ポッター』シリーズにも少しだけ登場した、ダンブルドアと因縁のある闇の魔法使いで、1926年のニューヨークを舞台とした第1弾は、彼がヨーロッパで勢力を増しつつあり、ノー・マジ(アメリカでのマグルの呼び方)との戦争になる恐れがある……という新聞記事の文字からスタートする。
「グリンデルバルドはアイコニックなキャラクターだ。彼は今後のシリーズでとても大きな役になる」と切り出したハイマンは、だからこそ人々を惹きつけるような強さのある俳優=ジョニー・デップをキャスティングしたと明かす。「彼には片手で誘惑して、もう片方の手で相手の喉を切り裂くようなキャラクターを演じられる能力があると思った。これが重要だ。彼はヴォルデモートのようではないんだ。(演じた)レイフ・ファインズは素晴らしかったけど、ヴォルデモートはとても冷たく、完全に邪悪な存在。だからある意味、グリンデルバルドはもっと恐ろしい。なぜなら彼はあなたを誘惑して、自ら従いたいと思わせることができるから」。
何とも抗いがたいグリンデルバルドの魅力は、エズラ・ミラー演じるクリーデンスとのやり取りでもはっきりと見ることができる。「もしあなたがもろいなら、グリンデルバルドはあなたの声には力があるように思わせる。相手が何を感じているかがわかるんだ。クリーデンスはもろい。現実の世界もそうだ。人々はもろく不幸せで、指導者たちのある意味理にかなった言葉を聞くと……。 グリンデルバルドは『なぜ魔法使いが力を隠し、存在を隠さないといけないのか』と訴える。その主張はよく理解できるけど、それが何を引き起こすのかをわれわれは考えなくてはいけない。それが グリンデルバルドの恐ろしいところだよ」。
ハイマンと共に来日したデヴィッド・イェーツ監督によると、彼が化けていたグレイブスは第2弾で取り上げる予定はないとのこと。「残念だけどね。コリン・ファレルは元気で、親切で、情熱的な素晴らしい俳優で、セットでキャラクターをどんどん発展させてくれた。でもそれは、グレイブスは絶対に戻ってこないという意味ではないよ。ジョー(ローリングの愛称)は今も脚本を書いているところだから……」。クリーデンスについては「この映画では取るに足らないキャラクターだったけど、第2弾ではとても重要なキャラクターになる」と語っていた。(編集部・市川遥)
映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は公開中