え、この作品にも!?人気声優・宮野真守の出演作7選
アニメ「うたの☆プリンスさまっ♪」「STEINS;GATE」シリーズなどで知られる人気声優・宮野真守。新しいクールが始まるたび、何かしらのアニメにいるという風潮さえもある彼だが、宮野の声が生かされているのはアニメだけにとどまらない。彼のアニメの代表作から、洋画吹き替え、はたまたハリウッドで活躍している俳優・真田広之と声優共演している海外ドラマまで、さまざまな彼の個性を味わえる7作品をまとめてみた。(編集部・井本早紀)
まず宮野の代表作として外せないのは、アニメ「DEATH NOTE -デスノート-」。名前を書いた人間を殺せるという死神のノート「デスノート」を使って犯罪者を抹殺し、理想の世界を作り上げようとする夜神月と、世界一の名探偵・Lたちによる頭脳戦を描いた本作で、宮野は主人公の夜神月の声を担当。頭脳明晰、容姿端麗、運動神経抜群、巧みな話術、手先の器用さなどすべてにおいて完璧な夜神だが、宮野の演技の真骨頂はこの完璧超人・夜神の“叫び”の演技。最終話における「バカヤロォオオオオ」は、アニメ放送が約10年経過した今でも話題になるほど。宮野真守という声優を世に知らしめた一作だろう。
演技力を発揮している役といえば、実写映画化が発表された「東京喰種トーキョーグール」の月山習役もその一つ。同アニメは現代の東京を舞台に、人の姿をしながら人肉を喰うことで生きる「喰種」(グール)をテーマにしたダーク・ファンタジー。宮野が演じる月山は月山財閥の御曹司の喰種で、対・喰種機関「喰種対策局」CCGからはSレートの喰種「美食家(グルメ)」の異名で呼ばれ、その実力は他の喰種や捜査官にも一目置かれているという役柄……なのだが、さまざまな面を総括してとにかく“すごい”。捕食対象を選り好みするなど食事に対するこだわりが強すぎるあまり、食物にかける熱意が高すぎる。獲物の血がしみ込んだハンカチを手に入れると、「フスーッ! スォーッ!」とにおいをかぎまくる月山の異質さは、宮野の声が入ることでさらに増していく。彼の鼻息の演技を見たファンから「宮野真守以外にあの変態さが出せる人いるの?」「月山の変態性は宮野真守にしか表現できない」という声が上がるほどだ。
ここから少し指向を変えて、吹き替え作品を挙げる。孤児の少年が魔法使いとして成長していくさまを描くファンタジー映画『ハリー・ポッター』シリーズで宮野は、主人公のハリーの親友ロンの家族である、ウィーズリー家の三男パーシー・ウィーズリーの声を担当。第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』でハリーたちをグリフィンドール寮に案内する、同寮の監督生だ。学校を卒業後も、魔法省国際魔法協力部のバーティ・クラウチ・シニアの下で働き、その後魔法省下級補佐官に昇進した超真面目なキャラクターとしてシリーズに登場している。ちなみに『賢者の石』のときは二十歳未満だった宮野と『ハリポタ』の縁は現在も続いており、公開中の原作者J・K・ローリングの新作映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』では主人公のニュート・スキャマンダーの日本語吹き替えを務めている。
『ハリポタ』流れに続いて洋画大作では、ヒュー・ジャックマンふんするウルヴァリンの過去を描くSFアクション『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』にも、サイクロップス役の吹き替え声優として出演している。X-MEN結成時のメンバー、通称「ファーストファイブ」の一人となるサイクロップスだが、今作での彼はまだ若きころ。非常に生真面目で責任感が強い反面、融通が利かない性格で、ワイルドな性分のウルヴァリンとは反りが合わずよく衝突している。こう見ると宮野の真面目な声を堪能したい時には、洋画吹き替え作品を探すのが一番なのかもしれない。ただし『ミニオンズ』などといった洋画アニメでは宮野節がさく裂している。
そして忘れてはいけないのが、誰もが知る正義の味方の声もしているということ!(「ウルトラマンゼロ」シリーズ)『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』では、主人公のウルトラマンゼロと、ウルトラマンゼロと同じ姿・技を持つ戦闘アンドロイドのダークロプスの1人2役に挑戦している。父であるウルトラセブンから授かった「ウルトラゼロブレスレット」を装着し、未知の別世界へと単身挑むウルトラマンゼロ。一方、突然ゼロたちの前に現われた「エメラル鉱石」をマイナスエネルギーに変換するシステムコアで動くダークロプス。つまり宮野対宮野が実現しているのだ。さらに、本作では緑川光、神谷浩史、関智一といった人気声優陣も参加している。
それから意外と宮野が声優出演をしていることが知られていない作品といえば、ドラマ「HELIX ‐黒い遺伝子‐」でのザ・サイス役ではないだろうか。真田広之の海外ドラマ初レギュラーとして話題になった同作は、氷と雪に閉ざされた北極を舞台に、外部から閉鎖された空間で広がるウィルス感染の恐怖を描いた感染系スリラー。宮野が吹き替えを務めている暗殺者ザ・サイスは第11話から登場する。見た目は10代のかわいらしい甘いマスクの持ち主でありながらも、人を無表情で斬殺する冷酷非情なザ・サイス。亡き母親への執念から復讐に燃えている彼の声は、「DEATH NOTE」の夜神、「東京喰種トーキョーグール」の月山とはまた異なる狂気性を有している。そして真田が演じているハタケ博士(吹き替え版も真田が声を担当)との因縁を持つという重要な役割付き! 宮野ファンであれば一度は聞いておきたいところ。
最後は今年のアニメの中から、宮野節が特に出ていたキャラクターで締めることにする。男子フィギュアスケートを題材としたアニメ「ユーリ!!! on ICE」で宮野は、ビックマウスだが着実に手に入れたいタイトルをゲットしてきた有言実行の男、ジャン・ジャック・ルロワの声を担当。両親がアイスダンスの元オリンピックチャンピオンで、弟妹もジュニアで活躍するフィギュアスケート一家でグランプリファイナルと世界選手権の金メダル最有力候補ともいわれているジャン。彼から放たれるセリフ「イッツ、JJスターイルッ!」はいつまでも耳に残ること間違いなし。だが11話の「JJスタイル」はさまざまな感情がせめぎ合ったもの。宮野の技量を十分に味わうことができる。
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