「アンネの日記」が出版されるまで…脚本争奪戦だった映画が始動
世界中で読み親しまれてきた「アンネの日記」の出版過程を描いた新作『キーパー・オブ・ザ・ダイアリー(原題) / Keeper of the Diary』が、製作始動しているとDeadlineが報じている。
本作は、映画『ロスト・バケーション』のマッティ・レシェム、リン・ハリスが、映画『グランド・ブダペスト・ホテル』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などを手掛けてきたフォックス・サーチライトのもと製作する予定の作品。
これは、脚本家サム・フランコ、エヴァン・キルゴアが執筆したスペック・スクリプト(依頼されずに脚本家が書いたばかりの脚本)を映画化する予定で、そのストーリーは、アンネ・フランクの父親オットー・フランクが、出版社「ダブルデイ」でタイピストから編集副主任になった若い有望な女性と共に、アンネが執筆した日記から出版可能な部分をまとめ上げていく過程が描かれるそうだ。ちなみにこの有望な女性は、バーバラ・ジマーマンという女性で、「ダブルデイ」で伝説の出版者として活躍し、ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックスの設立者にもなった人物。
このスペック・スクリプトは、パラマウント・ピクチャーズ、アンブリン・エンターテインメント、スタジオカナルなどハリウッドの会社がその映画化権の獲得を争っていたが、最終的にフォックス・サーチライトに決定した。まだ監督やキャストは決定していないが、楽しみな作品になりそうだ。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)