柳楽優弥&小松菜奈、駆け抜けた一年を語る「全身全霊で戦った」
俳優の柳楽優弥が5日、文京シビックホールで行われた「第90回キネマ旬報ベスト・テン表彰式」に来場し、『誰も知らない』以来12年ぶりに勝ち取った主演男優賞に感慨深い表情を見せた。一方、『溺れるナイフ』ほか4作品を対象に新人女優賞を獲得した女優の小松菜奈は「自分の心が追いつかないくらい全身全霊で戦った年でした」と充実した表情を見せた。
【写真】小松菜奈、柳楽優弥、竹原ピストルらキネ旬ベスト・テン表彰式に登壇
現在まで続いている映画雑誌としては最古となる1919年創刊の老舗映画雑誌「キネマ旬報」が発表している「キネマ旬報ベスト・テン」。今回主演男優賞を獲得した『ディストラクション・ベイビーズ』で柳楽は、誰かれかまわずケンカを仕掛ける暴力衝動の塊のような男を演じている。
この日の授賞式では勢い余って、トロフィーを受け取る前に「柳楽優弥です」とあいさつを始めるなど、あふれる思いがみなぎっている様子の柳楽。「賞に選んでくださった皆さん、作品に興味を持ってくれた『ディストラクション・ベイビーズ』のファンの皆さんもありがとうございます。『誰も知らない』という作品で、キネマ旬報新人賞をいただいて。12年間悩んだり、いろいろやってきたりしたんですけど、今回、『ディストラクション・ベイビーズ』で主演男優賞を受賞できたのは本当にうれしいことです。光栄です。ありがとうございます」と一気に語った柳楽は、「引き続き、このヘビー級のトロフィーに負けないように、しっかりと筋トレをやって。演技に対してしっかりと向き合って。いい作品で出られる人でありたいと思います」と付け加え、拍手を浴びた。
一方、新人女優賞を獲得した女優の小松は、柳楽と共演した『ディストラクション~』のほか、『溺れるナイフ』『ヒーローマニア -生活-』『黒崎くんの言いなりになんてならない』の4作品が評価され、新人賞を獲得。「評価していただいた作品は、おととしに撮影を順番にしていったんですが、自分の心が追いつかないくらい全身全霊で戦った年でした」と述懐。その中でも特に『溺れるナイフ』の印象が強かったようで、「すべてをむき出しに、無我夢中にただただ走り続けるような現場でした。10代最後で演じられたのが、わたしの中で大きな大きな、大切な作品になりました。これからも一つ一つ努力を惜しむことなく、頑張っていこうと思います」とあらためて女優としての覚悟を語った。(取材・文:壬生智裕)