小日向文世、“ちんちくりん”だから主演に?監督の意図を疑う
小日向文世と深津絵里が夫婦を演じ、電気が消滅した世界でサバイバルを強いられる家族の奮闘を描く映画『サバイバルファミリー』の初日舞台あいさつが、11日、都内で行われ、小日向が「現場でみなさんに初めて会ったとき、(自分の演じた家族の)鈴木家はみんな“ちんちくりん”で、時任(三郎)さんの斎藤家との身長差に、思わず笑っちゃいました。何でこんなに違うんだって、監督の悪意を感じましたね」と撮影を振り返り、会場を湧かせた。
本作は、原因不明の電気消滅に見舞われ、テレビ、スマホ、電車、自動車、水道まで、電気を必要とするあらゆるものがストップし廃墟寸前となった東京から、ある平凡な家族が脱出を試みるサバイバルムービー。サバイバルに最も向いていない鈴木家のダメなお父さん・義之に小日向、専業主婦の妻・光恵に深津、その息子・娘に泉澤祐希、葵わかながふんし、鈴木家と対照的にアウトドアが趣味で、困難を困難とも思わない斎藤家4人を時任三郎、藤原紀香、大野拓朗、志尊淳が演じた。『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』などのヒット作を手がけた矢口史靖監督のオリジナル脚本作だ。
この日は、小日向のほか、深津、泉澤、葵、時任、藤原、大野、志尊、矢口監督が登壇。「矢口監督は身長でキャスティングしたんじゃないかと思いました」という小日向の言葉通り、小日向と時任の身長差は20センチ以上。家族4人の平均身長も、鈴木家が平均161センチに対し、斎藤家は180センチというデータがMCから紹介されると、会場にもどよめきが。
「斎藤家は颯爽としていて、(一方)自分は朝からヨゴシをかけられて」「ブタに振り落とされてヒビが癒えぬまま、水温7度の川に無理やり入らせられたり」「正直、現場でちょっとムッとしてました」と撮影を振り返った小日向。矢口監督は「両家の違いを出すために、背の違いはかなり考慮しました」と確かな演出意図があったことを明かした。
過酷な撮影を経て、公開日を迎えた感慨を聞かれ、深津が小日向に対し「長い道のり、お疲れ様でした。こんなキュートな63歳はいません。一生かわいい人でいてくださいね。ずっと大好きです」とねぎらいの言葉を送ると、小日向は「今の一言で、ホントにやってよかった。全部ふっ飛びましたね」と満面の笑み。加えて「『スウィングガールズ』を超える矢口監督の最高傑作になったのではないか。ヒットしたら『サバイバル第2弾』もあると監督も言っていた」と続けた小日向に、矢口監督は「次は雪山で遭難とかしてもらいますか」とSっ気たっぷりに返し、笑いを取っていた。(取材/岸田智)
映画『サバイバルファミリー』は全国公開中