のん、『この世界の片隅に』海外初プレミアでメキシコの観客から温かな声
女優・のんが現地時間23日、メキシコの首都メキシコシティで行われたアニメーション映画『この世界の片隅に』の海外初となるプレミアに出席、さらに25日までメキシコの各都市を周り、現地の観客と交流した。
日本国内において累計動員170万人、累計興行収入22億円を突破するヒットを記録中の本作。すでに全世界23の国と地域における配給も決定しており、片渕須直監督とのんは、3月10日から約300スクリーンで公開されるメキシコでのプレミアに出席するため今月下旬から現地入りしていた。
メキシコシティ最大級の映画館Cinemexで行われたプレミアでのんたちは、主人公すずのスペイン語吹き替えを担当した女優エリカらと約30分間に渡るトークショーを実施。本作は戦時中の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前を向いて生きる女性すずを描いたアニメーションだが、その物語はメキシコの人々の心にも響いたようで、「感動して言葉が出ない」「涙が止まらなかった」「こんなアニメーションは初めて観た」という感動の声が多く寄せられたという。
「すずさんを演じることは、自分の人生にとって大きな学びになりました」というエリカも「まじめで前向きに生きるすずさんのように、過酷な状況においても強くあり続け、日々を送れるように頑張らなければならないと思いました」とすずの生き方に共感した様子。メキシコでは字幕版も上映されるが、のんは「エリカさんはとても素敵な方で、チャーミング。絵を描くのが好きで、私やすずさんとの共通点が多く、ぜひみなさんにスペイン語吹き替え版も見て欲しいと思いました」と語った。
翌24日には、広島県と友好提携を結んでいるグアナフアト州の都市サラマンカでの上映に、マリアッチの衣装に袖を通して登壇。25日には同じくグアナファト州のイラプアトとレオンで着物姿を披露。今回の上映を通してのんは「『いまは胸がいっぱいで……お家に帰ってじっくり考えます』というメキシコの方の感想を聞き、日本のみなさんと変わらない反応に驚きました。やっぱりこの映画は世界中に届けられるメッセージを持っている素晴らしい作品だと改めて思いました! もっと沢山の人、そしてもっと多くの場所で観ていただきたいと思います」と感激。片渕監督も「タンポポの綿毛はメキシコにも。こんなタイプのアニメーション映画は初めて観ただろうメキシコの方々に温かく迎えていただいています」と喜びを語った。(編集部・入倉功一)