エマ・ワトソン、『美女と野獣』の“あの人”のことを怖がっていた
1991年のアニメーション版および、ディズニー実写版『美女と野獣』(4月21日日本公開)を手掛けた作曲家のアラン・メンケンが取材に応じ、実写版でヒロイン・ベルを演じたエマ・ワトソンとの仕事を振り返った。
「エマとの仕事は楽しかった」と満足げなメンケンだが、「でも最初はちょっと恐れていたみたいだった。ミュージカルで歌うなんて彼女にとっては初めてのことだったし、僕のことを怖がっているみたいだった」と明かす。幼い頃から第一線で活躍してきたエマをもってしても、「朝の風景」「ひとりぼっちの晩餐会」「強いぞ、ガストン」「美女と野獣」といった名曲の数々を生み出し、8個のオスカーに輝くレジェントを前に歌うのは尋常ではない緊張感だったようだ。
そんなエマの様子を見て、メンケンはあえて彼女と少し距離を置くようにしたという。「僕の音楽ディレクターが彼女の指導をして、僕はちょっと後ろに下がって反応するようにしたんだ。そうするとうまくいったよ。それにビル・コンドンも彼女に素晴らしい指導をしていた。彼は監督で、音楽が専門ではないのにね。彼女がやりやすいようにしてあげることが大事だったんだ。今、映画が完成して、彼女は自分が良い仕事をしたとわかったから、僕らは楽しい時を過ごしているよ」。その言葉通り、エマは劇中で「まさにベル!」というべき初々しくも芯のある美声を披露しており、チームの試みは見事に実を結んでいる。
エマだけでなく、今回新たに書き下ろされた新曲「Evermore」を歌う野獣役のダン・スティーヴンスも緊張気味だったというが、「それは自然なことさ。オードラ・マクドナルド(マダム・ド・ガルドローブ役)のような偉大な人ならともかくね」とメンケン。「ジョシュ・ギャッド(ル・フウ役)、ルーク・エヴァンス(ガストン役)、ケヴィン・クライン(ベルの父、モーリス役)、ユアン・マクレガー(燭台のルミエール役)、エマ・トンプソン(ポット夫人役)も歌える人たちだし、何度も歌ってきている。彼らは楽しんでいたよ!」。中でもそんな楽しい収録の様子が目に浮かぶようなルーク&ジョシュの「強いぞ、ガストン」、ユアンの「ひとりぼっちの晩餐会」は本作のハイライトの一つといえるので要注目だ。(編集部・市川遥)
映画『美女と野獣』は4月21日より全国公開