ビヨンセ、ガガ、きゃりーらのヒットソング60曲以上使用した『SING/シング』!どうしてそんなことが可能に?
全国映画動員ランキングで2週連続となる首位に輝き、累計興収は18億9,398万7,290円と日本でも大ヒットを記録しているアニメーション映画『SING/シング』のガース・ジェニングス監督が電話インタビューに応じ、多数の楽曲を使った制作の裏側を明かした。
きゃりーぱみゅぱみゅのあの曲を使用!映画『SING/シング』本編映像
本作は、倒産寸前の劇場を立て直すための一大イベントとして、コアラの支配人バスター・ムーンが「歌のコンテスト」を企画したことから起こる騒動を描いたユニバーサル・スタジオ×イルミネーション・エンターテインメント映画。フランク・シナトラ、ビヨンセ、テイラー・スウィフト、レディー・ガガ、スティーヴィー・ワンダーをはじめとした人気アーティストのヒットソング60曲以上が使用され、ロックコンサートを見ているかのような楽しい作品だ。
60曲以上を使うというアイデアについて「あり得ないよね」と笑ったジェニングス監督は、「成功した秘密はね、ユニバーサルの音楽チームがとても初期の段階から仕事を始めてくれたんだ。たぶん3年前からかな」と制作の初期の段階から時間をかけて権利やアレンジの問題をクリアしてきたと明かす。「少なくとも週に2回は会議をして、とても緊密に連携した。だから何か変更があったり、新しいアイデアが生まれたりしたら、すぐに対応できたんだ。楽曲を扱うのはとても難しいプロセスなんだけど、僕は簡単な役だったね。『ねえ! この曲をお願いします!』と言うだけだったから(笑)。それで彼らはそれを使えるようにしなくてはいけなかった。いつもありがたいと思っていたよ」。
日本からはきゃりーぱみゅぱみゅの「にんじゃりばんばん」「きらきらキラー」「こいこいこい」という3曲が選ばれている。ジェニングス監督は「僕の友人が『BUG』っていうミュージックビデオのショーをロンドンでやっていて、そこで彼が彼女のビデオを流していたんだ。僕たちみんな、それを好きになった。そういうわけで、映画に合う彼女の曲を探したんだ」と制作前からきゃりーを知っていたといい、特に「『こいこいこい』がすごく好き」と明かした。
監督第1作『銀河ヒッチハイク・ガイド』(2005)はSFコメディーで、第2作『リトル・ランボーズ』(2007)は個人的なインディー映画、そして第3作『SING/シング』(2016)はミュージカルアニメーションと興味深いキャリアを歩んできたジェニングス監督。本作の監督をするため、ロンドンからイルミネーションのスタジオがあるパリに家族で引っ越してもう4年になる。
「本当に奇妙な旅だ。ただ素晴らしいものをつくろうとしてきたんだ。実際、いつも計画しようとはしているけど、そうするとダメになってしまう。この前の2本の映画(『リトル・ランボーズ』と『SING/シング』の間に企画していたもの)がダメになったようにね。そして突然、クリス(イルミネーションのトップであるクリス・メレダンドリ)とお茶をして、本作が始まった。うまくいくようにしようとしたってダメなことはあるし、特に意識していなかったときにうまくいったりする。変だね」。
現在は続編の脚本を執筆中で「リサーチの旅に出ているんだ。約8週間でストーリーボードに取り掛かれると思う」とのこと。監督も続投するといい、「誰にも触らせないよ!」と笑っていた。(編集部・市川遥)
映画『SING/シング』は公開中