キアヌ・リーヴス、大好きな日本アニメはあの作品!
キアヌ・リーヴスが、スタイリッシュアクション待望の続編『ジョン・ウィック:チャプター2』を引っ提げ、日本へやってきた。今回はチャド・スタエルスキ監督も一緒に! 今アクション映画界に再び活気をもたらしているその2人が、本作でオマージュを捧げた名作から、影響を受けた日本のアニメまでを語った。
『マトリックス』シリーズでキアヌふんする主人公・ネオのスタントダブルをチャドが務めていた縁から、『ジョン・ウィック』シリーズでもタッグを組むことになった2人。殺し屋稼業から身を引いて生活していた伝説の男ジョン・ウィックが、再びし烈な戦いに巻き込まれるさまを洗練された様式美で描き出す。
オープニングシーンはバスター・キートン、鏡張りの部屋でのファイトシーンは『燃えよドラゴン』という具合に、生粋のアクションファンである2人がつくった本作は、名作へのオマージュが満載だ。「子供のときから楽しんできた映画にこの作品を捧げたいという想いがあった。結果的に、素晴らしいアクション映画は何によってつくられているのかという歴史を示すことにもなったね。それにこの映画をつくるのは楽しいことなんだ。だからこの映画をあまり真面目に捉えすぎないようにしてほしいと思って、遊び心を取り入れた。この映画を観るときは、思い切り楽しんでほしくてね」とサービス精神旺盛なチャド。
具体的に影響を受けたものを尋ねると、バスター・キートン、黒澤明、セルジオ・レオーネ、スティーヴン・スピルバーグ、オーソン・ウェルズ、アンドレイ・タルコフスキー、ブルース・リー、フランシス・フォード・コッポラ、ベルナルド・ベルトルッチ……と枚挙にいとまがない。「ベルトルッチからの影響は大きいね。実際に同じロケーションでも撮影したし。いろんな要素を取り入れるのは面白かったよ。音楽でもビジュアルでも、過去の名作にオマージュを捧げているのがわかると思う」と笑うチャドは、もはやアクション映画だけにとどまらないかなりのオタク気質だ。
その守備範囲は日本のアニメも含むほど。「『攻殻機動隊』はオールタイムベストの1本だね。あとは、『獣兵衛忍風帖』かな。構図に関して影響を受けていると思うよ。フレーミングやカメラアングルなどの美しさにね」と語るチャドに対し、キアヌも「僕のお気に入りは、『AKIRA』に『攻殻機動隊』。それから『獣兵衛忍風帖』。(過去にキアヌ主演で実写化の企画があった)『カウボーイ・ビーパップ』もワケあってよく知っているよ」と日本アニメへの興味を示す。
また、「僕らの大好きな香港のカンフー映画をはじめ、アジア映画全般に言えること」として、カメラワークのすばらしさを指摘するチャド。アクション映画では一般的に、迫力を出すためにローアングルやハイアングルを多用する傾向にあるが、香港のアクション映画では役者のアクション自体を捉えることを第一に考えているためアングルを変えないことが多い。「アジアの映画を観たら、そういったアングルを試してみずにはいられなかったよ。アクションなのにローアングルもハイアングルもしないというね(チャド)」。
そうなると、役者自身によるアクションに精度が求められる。キアヌは今回、かなりへヴィーな銃トレーニングを行ったといい、「1作目では『これがピストルで、あれがライフルですよ』って感じだったけど、今作では『これがピストルで、あのショットガン取って、今度はライフル、またピストルに戻って!』みたいな感じだった」とその複雑さを独特に表現。「でも撃つのが好きなんだよ。“バンバンバンバン!”って」と身振りを交えながら白熱していくキアヌに、アクション俳優が天職なのだろうと思わずにはいられなかった。(編集部・石神恵美子)
映画『ジョン・ウィック:チャプター2』は全国公開中