大東駿介、台本もらえる喜びを明かす!
俳優の大東駿介が22日、都内で行われたミステリー作家・湊かなえの原作をもとにした映画『望郷』の完成披露上映会に登壇し、台本をもらえることの喜びを明かした。この日は、大東とともに主演を務めた貫地谷しほり、菊地健雄監督も来場した。
同じく湊の小説を原作とする『白ゆき姫殺人事件』(2014)で共演している2人だが、大東は「(『白ゆき姫殺人事件』の)撮影は10分で終わったんで……」と振り返り、貫地谷から「わたし1日!」と言われると、「10分と1日は大違いですからね」と渋い顔。「台本もらってないですからね。僕、全編アドリブだったんですよ」と明かし、「(監督から)『小説読んできて。インタビューするから思ったことをしゃべって』って言われたんです」と衝撃的なエピソードを披露。「だから今回は『台本ある!』と思ってうれしかったです」と笑顔を見せ、観客の笑いを誘った。
その後は、本作の撮影期間中の充実ぶりを伝える大東。菊地監督いわく「現場は毎日が山場のようでピリッとしていて緊張が解けなかった」そうで、貫地谷も「わたし、すごく苦しかったんですよ。スケジュールが大変で朝から夜中まで撮っていた」と同調した。しかし、一度東京に帰ってからロケ地の因島に戻ると、「大東さんがめちゃくちゃ(島の生活を)謳歌していて!」と明かす貫地谷。「わたし(の多忙さは)なんだったんだろうと思った」と首をかしげた。実は本作は2編からなっており、貫地谷が主演する「夢の国」の方が撮影がきつく、大東は「レモン農家の人とご飯食べに行きました。めっちゃ友達できました」と笑みをこぼし、貫地谷を羨ましがらせた。
本作はミステリー作家・湊かなえの連作短編集をもとに、ある島で暮らす2組の親子の過去と未来をつなぐ物語を描いた感動作。貫地谷は「夢の国」で家に縛られ、自由を求めてある事件を起こす夢都子を、大東は「光の航路」で確執を抱えたまま死別した父の本当の思いを、その死から十数年後に知る航を演じている。
貫地谷は「誰しもが感じたことがある窮屈さから、少しでも前に出る勇気を持てる映画になっていると思います」とアピール。大東は「作品を通して、自分の31年に初めてちゃんと向き合った気がしました。この作品を観てくださる方が自分を見つめるきっかけになればいいな」と心を込めた。(取材:錦怜那)
映画『望郷』は9月16日より新宿武蔵野館ほか全国拡大上映