宮藤官九郎、DV夫役に快感 娘には見せられない…
俳優の宮藤官九郎が26日、都内で行われた映画『幼な子われらに生まれ』初日舞台あいさつに出席し、田中麗奈にDVを振るう演技を振り返り、「気持ちよかったです」と爽快な笑顔を見せた。この日は、浅野忠信、南沙良、鎌田らい樹、新井美羽、三島有紀子監督も登壇した。
本作は直木賞作家・重松清による同名小説の実写映画化。奈苗(田中)と再婚するも、連れ子と上手くいかず、元妻・友佳(寺島しのぶ)と暮らす実の娘と三か月に一度会うことを楽しみしている信(浅野)を主人公に、つまずき、傷つきながらも幸せを紡いでいく大人たちのアンサンブルムービー。
奈苗の元夫・沢田を演じた宮藤は、「この映画はうちの娘には見せられないな。年頃なので……。もうちょっと大人になったら、こういうお仕事なんだよと(教えたい)」とコメント。というのも宮藤ふんする沢田は暴力夫で、彼からDVを受ける友佳役の田中は「いろんなことが刺激的でバイオレンス。久しぶりに再会した宮藤さんから殴ったり蹴ったりのDVを受けました」と告白。さらに、その日が誕生日だったそうで、「刺激的なものをいただきました。ありがとうございました」と皮肉交じりに感謝の言葉も送った。すると宮藤は「ケーキも用意されて、おめでとうございますの雰囲気の中、(暴力を振るうことは)気持ちよかったです」と満足そうに笑みをこぼし、会場の笑いをさらっていた。
そして撮影時を思い返し、「(沢田は)もっとさげすまされるのかなと思ったら、(信が)ちゃんと受け止めていただいたのでやりやすかったです」と浅野と心地よく芝居ができたことも喜ぶ宮藤。その気持ちは浅野も同じで、宮藤の役者としての手腕に「最高でした」と称賛の言葉を送ると、「だから今日、僕は帽子を合わせてきました」と宮藤のトレードマークでもある帽子をかぶってきた理由を説明して、宮藤を笑わせていた。
また本作が本年度のモントリオール世界映画祭のコンペティション部門に、日本映画から唯一出品されることも発表され、三島監督は「すごくうれしいです」と感激していた。(取材:錦怜那)
映画『幼な子われらに生まれ』は全国公開中