『ダンケルク』出演俳優がモリッシーに!伝説のバンド、ザ・スミスの始まりを描いた映画とは
1980年代のUKロックを代表するバンド、ザ・スミスのフロントマン、モリッシーの若き日を描いた映画『イングランド・イズ・マイン(原題) / England is Mine』について、マーク・ギル監督が、8月25日(現地時間)ニューヨークのIFCでの上映後Q&Aで語った。
本作は、1970年代の若き日のモリッシーに焦点を当て、彼の友人リンダ・スターリングやバンド仲間を通して、彼が地元のマンチェスターで過ごした日々や音楽に対する情熱を描きながら、ザ・スミスのフロントマンになっていくまでを描いた作品。ジョイ・ディヴィジョンのフロントマン、イアン・カーティスさんの伝記映画『コントロール』を製作したオライアン・ウィリアムズがプロデューサーを務めている。
製作経緯についてギル監督は「最初に興味を持ったのは、ザ・スミスのジョニー・マーとモリッシーがいかにして出会ったのかということだったんだ。なぜなら、それがモリッシーの青年時代の最後で、ある意味ザ・スミスの始まりでもあったからね。ジョニーがモリッシーの家のドアをノックするシーンがロマンチックに思えて、それを最後のシーンに決めてからは逆戻しするようにストーリーを構成していったんだ。だから、最初からザ・スミスを描いた映画を製作しようとは思わなかったんだよ」と説明した。
モリッシーを語る上で、アーティスト、リンダ・スターリングとの友人関係は重要だったというギル監督。「人生で何かをやろうとする大志を抱いた人々は、若い頃に必ずどこにも属していないような体験をしてきているんだ。すると、そんな彼らは音楽、映画、本にそれを見いだすことがある。それと同様に強い女性にも影響を受けたりする。モリッシーの場合は、モリッシーの母親やアーティストのリンダで、その中でも特にリンダはモリッシーに何かを見いだして、彼を手助けしたいと思っていたんだよ」と話す。
モリッシーを演じたジャック・ロウデンについては「彼は、ここ数年見てきた俳優の中でもベストと思える俳優だね。それに心の底からナイスガイと思えるんだ。監督としてできる限り俳優との共同製作がしたくて、彼の素晴らしいアイデアもオープンに受け入れていったよ。彼は、今作が(長編)デビューになる僕の話をしっかり聞いてくれて、スクリーンテストした際も、まるでモリッシーが目の前にいる気がしたくらいだよ」と称賛し、迷わず彼に決めたことを明かした。ちなみに、ジャックはクリストファー・ノーラン監督最新作『ダンケルク』(9月9日~日本公開)にも出演している。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)