俳優・土屋嘉男さん死去 『ゴジラ』シリーズや黒澤映画で活躍
映画『七人の侍』『隠し砦の三悪人』『椿三十郎』などでは脇役ながら黒澤明監督の作品に欠かせない存在として出演し、本多猪四郎監督がメガホンを取った『マタンゴ』『ガス人間第1号』『地球防衛軍』などでも輝いた、俳優の土屋嘉男さんが89歳で亡くなった。各社が報じている。
土屋さんは1927年に山梨県甲州市で誕生。俳優座養成所を経て東宝へ入り、黒澤監督の『七人の侍』(1954)では野武士を討とうと立ち上がる百姓・利吉役に抜てき。その後も黒澤映画『蜘蛛巣城』『用心棒』などにも出演する一方で、東宝特撮作品『地球防衛軍』ではミステリアン統領、『怪獣大戦争』ではX星統制官の役で出演し、インパクトを残した。また本多監督との絆が深いことでも知られ、そのほかの『ゴジラ』シリーズである『怪獣総進撃』『ゴジラVSキングギドラ』などにも出演している。
東宝退社後もさまざまな映画やテレビドラマに出演しつつ、書籍「クロサワさーん! 黒沢明との素晴らしき日々」「思い出株式会社」等も出版。テレビ番組「徹子の部屋」にも数多く出演し、そのトーク力の高さなどでもお茶の間に親しまれていた。(編集部・井本早紀)