白人化批判の『ヘルボーイ』アジア系キャラにダニエル・デイ・キムが決定!
イギリス人俳優のエド・スクラインが降板を表明していた映画『ヘルボーイ』リブート版の日系アメリカ人キャラクターに、テレビドラマ「HAWAII FIVE-0」などのダニエル・デイ・キムが起用されたと The Hollywood Reporter ほか各メディアが報じた。
同作は、地獄生まれのヒーロー、ヘルボーイが超常現象捜査局のエージェントとして戦う姿を描く人気コミックの再映画化作品。キムが演じるのは、捜査局で働く元海兵隊隊長ベンジャミン・デミオで、原作では日系アメリカ人という設定にもかかわらず、当初は白人俳優のエドが起用されたことで、ホワイトウォッシュ(白人以外の人種の役に白人俳優が配役されること)との批判が巻き起こった。
その後、エド自身が「このキャラクターを、文化的に正確に表現することが非常に重要なことだというのは明らか。この責任を無視すれば、少数派人種の物語や、彼らの声が芸術の世界から失われることへの懸念が続くことになる」と出演を辞退。ハリウッドで活動するアジア系俳優などから、称賛の声が数多く寄せられた。
メディアに向けた声明でキムは、「正式に『ヘルボーイ』にキャスティングされたと認められることを光栄に思っています」と発表。「製作陣と、何よりエド・スクラインが、アジア系のキャラクターはアジア人やアジア系アメリカ人が演じるべき、という意見を擁護してくれたことに称賛を送りたい」と表明している。
キムは、大ヒットドラマ「LOST」のジン役でブレイク。「HAWAII FIVE-0」では7シーズンにわたってチン・ホー・ケリー役を務めてきたが、白人キャストと平等の待遇を求めた交渉が決裂したことで同作を降板したとVarietyが報道。ダニエル自身もFacebookで「平等への道は困難がつきもの」と認めていた。(編集部・入倉功一)