声優界のレジェンド古谷徹、ヒゲの父親役にプレッシャー
声優の古谷徹が16日、都内で行われた映画『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』初日舞台あいさつに出席。「巨人の星」の星飛雄馬役、「機動戦士ガンダム」のアムロ・レイ役、「美少女戦士セーラームーン」のタキシード仮面役など、代表的な役に数多くの青年役がある古谷は、本作でヒゲをたくわえた父親の声を担当することにプレッシャーがあったことを吐露した。この日は、三瓶由布子、名塚佳織、京田知己総監督も来場した。
本作は、英雄アドロックを父に持つ主人公レントンが鬱屈(うっくつ)した日々をおくる中でヒロイン・エウレカと出会い、世界を知る旅に出るというストーリーで、2005年よりテレビ放送され人気を博したアニメの劇場3部作の第1弾。全ての発端となった世界危機「ファースト・サマー・オブ・ラブ」が完全新作で描写され、ゼロから始まるレントンとエウレカの新たな物語が紡がれる。
アドロックの声を務めた古谷は現在64歳だが、「ヒゲを生やしたオヤジというのは今までほとんどやったことがない」そうで、「しかも息子がいる父親」と続けると、「僕は少年(役)をずっとやってきているので、(自分の)声がキャラクターのルックスに合わないんじゃないかとプレッシャーでした」と告白。しかし、アドロックは30代の設定のため、「他の作品でもそれくらいの年齢はやったことがある」と話す古谷は、「お芝居をきっちり演じることができれば、みなさんに納得してもらえるんじゃないかという思いで、ルックスにはこだわらずにやらせていただきました」とアフレコ時を回顧。そして、「結果的にはアフレコの後に自分の記憶が飛んでしまうというか、頭の中が真っ白になるくらいのめり込めたので、よかったんじゃないかなと自負しております」と自信をのぞかせた。
京田総監督は、アドロックは「レントンにとっては会ったことのないお父さんであり、レントンの物語が始まる前の主人公」で、本作は「主人公だったお父さんがどういうことを頑張っていたかを見せる話だと思った」と自身の見解を示した。だからこそキャスティングは慎重になり、「ただ強いだけではなく、いろんな迷いや壁にぶつかりながらも、最終的に人を救える人が主人公だと思うし、そう考えた時に古谷さんにお願いするしかないと思った」と説明。その考えは的中し、京田総監督は「第一声を聞いた時にグッと(心を)つかまれた」と感激。観客も盛大な拍手を送って、古谷を喜ばせていた。(取材:錦怜那)
映画『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』は全国公開中