ハリウッド版『AKIRA』新監督交渉がスタート!マーベル映画の新鋭を抜擢か
大友克洋の人気作品『AKIRA』のハリウッド実写版を長年にわたって企画している米ワーナー・ブラザースが、『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ監督にメガホンを託すべく交渉に入ったとDeadlineが独占で報じた。
「AKIRA」は第三次世界大戦による新型爆弾の投下から復興しつつある2019年のネオ東京が舞台の大ヒットコミック。1988年に原作者である大友自身の手でアニメーション映画化され、伝説の作品として世界中のファンを魅了し続けている。
米ワーナーによる実写化企画は、過去に幾度も製作中止や監督交代という事態に陥っている。『ザ・ウォーカー』のアルバート・ヒューズや『エスター』のジャウマ・コレット=セラなどが監督に就任しては降板。また、主演俳優候補としてブラッド・ピットやキアヌ・リーヴス の名前がささやかれ、ついには『トロン・レガシー』のギャレット・ヘドランドを主演にすえ、ヘレナ・ボナム=カーター、渡辺謙が出演候補に挙がったこともあったがそれも中止に。予想より大幅に予算が上回り、撮影予定だったバンクーバーの同社オフィスが閉鎖されるなど、頓挫する可能性が高いと言われていた。
監督交渉中と報じられたワイティティ監督は、母国ニュージーランドで低予算ホラーコメディー『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』を手掛け、マーベルスタジオの大作に大抜擢を受けた新鋭。ハリウッド版『AKIRA』をめぐっては、現在に至るまで迷走を続けているという印象は拭い切れないが、新たな才能によってようやく日の目を見ることになるのか。
また同作をめぐっては、アジア人の主要キャラクターに白人キャストを起用していることに対して、日系アメリカ人俳優のジョージ・タケイが苦言を呈したことがある。現在ハリウッドでは、まさにこのホワイトウォッシュ問題が注目を浴びており、いざ監督が決定しても、当時以上にキャスティングが難航することは間違いがなさそうだ。実写版について出版元の講談社は「映画『AKIRA』は製作進行中である」としている。(編集部・入倉功一)