東出昌大が怖すぎ…『散歩する侵略者』スピンオフドラマが11月劇場公開
『回路』『クリーピー 偽りの隣人』などホラー&スリラー映画の鬼才・黒沢清監督が、映画『散歩する侵略者』のスピンオフとして製作したWOWOWの連続ドラマが、『予兆 散歩する侵略者 劇場版』のタイトルで11月11日より劇場公開されることが決定した。全5話のドラマを140分に再編集した形で上映される。
【動画】衝撃的な怖さ!『予兆 散歩する侵略者 劇場版』予告編
『散歩する侵略者』(上映中)は劇作家・前川知大率いる劇団「イキウメ」の舞台を映画化。ドラマ「予兆 散歩する侵略者」では舞台&映画に登場した“人間から概念を奪う侵略者”を踏襲しながら、別の街で起きた出来事を描くオリジナルストーリーが展開。山際悦子(夏帆)とその夫で臨床工学士の辰雄(染谷将太)が、辰雄の勤務する病院で新任外科医として働く侵略者・真壁(東出昌大)の脅威におびやかされていくさまを描く。
夏帆&染谷の迫真の演技もさることながら、『散歩する侵略者』では松田龍平演じる侵略者に“愛”を説く善良な牧師にふんし、「予兆」では全く異なるキャラクターに配役された東出の怪演が見もの。辰雄を“ガイド”として使い、概念を奪う人間を選ばせ、容赦なく概念を奪っていく侵略者をひょうひょうと演じ、『散歩する侵略者』とのあまりのギャップに驚かされる。
真壁が象徴するように「予兆」ではホラーテイストが濃厚。それもそのはず、『リング』(1998)などホラー映画界で活躍してきた高橋洋が脚本を務め、『蛇の道』(1998)でタッグを組んだ黒沢監督とは抜群の相性。恐怖を煽る撮影は、『散歩する侵略者』に続き芦澤明子が担当した。
黒沢監督が「壮大で身の毛のよだつ出来事を、可能な限りリアルに描写した」という本作。脚本を担当した高橋は「黒沢監督と組むのは久々だけど、二人が出会えば、怖い映画を作ろうってことになるのです。ただ怖いことが起こる映画じゃないんです。二人が目指しているのは、観客が見てゆくうちに、え、これヤバい……って気づくような怖さです。前川さんの原作には『ボディ・スナッチャー』の“替え玉妄想”に匹敵するようなヤバいアイデアがありました。だから『侵略SF恐怖映画』が生まれるのは必然なんです」と本作が“恐怖映画”(ドラマ)に仕上がった理由に触れている。(編集部・石井百合子)
『予兆 散歩する侵略者 劇場版』は11月11日より新宿ピカデリーほかで公開