フランス人女性監督、主人公の条件は「イケメン」!?
フランスのジム・ジャームッシュとも称されるエリーズ・ジラール監督が来日し、14日に新宿武蔵野館で行われた最新作『静かなふたり』の初日舞台あいさつに出席。キャスティングやロケーションハンティングの苦労など作品の制作秘話を披露した。
本作はパリの古書店を舞台に、年齢差のある男女が書物を通じて繰り広げる知的でロマンチックなラブストーリー。1人の女性が自分の人生を選択し、成長する姿が描かれている。作品の大事な部分を担う古書店を探すにあたって、エリーズ監督は友人で俳優のパスカル・セルボ(今作にも出演している)の力をかりてロケハンし、最後は「これだ!」と直感して決めたそうだ。
また「ミステリアスな謎めいた人物に描きたかった」という元古書店店主に監督が選んだのは『昼顔』などのジャン・ソレル。「ジャンはフランス人俳優だけれど、イタリア映画にもたくさん出演していて起用するのにふさわしかった」とエリーズ監督。年齢差のある女性とのラブストーリーでもあるため、歳を重ねていても「イケメン」であることを条件に探していたそうで「彼はハンサムでしょ? 探すのに時間はかかったけれどオファーして快諾されるまでは半日だったのよ」と笑顔で明かした。
一方、27歳のヒロイン・マヴィを演じたのは大女優イザベル・ユペールの娘でもあるロリータ・シャマー。ロリータについて監督は「彼女とは友人で、脚本を書いているときから彼女の顔が浮かんできて、自然の流れで彼女がマヴィに決まったの」と説明。「私としては役者には私の世界に入ってきてもらいたいの」と監督が作り上げた人物に役者が寄り添ってくれるのが理想というキャスティングにおけるこだわりも語っていた。最後にエリーズ監督は次回作について「日本でラブストーリーを来年10月くらいに撮りたいと思っているの」とうれしい告知もしてくれた。(取材・文 福住佐知子)
映画『静かなふたり』は公開中