内田裕也『十階のモスキート』ラブシーン撮影振り返り大テレ
ロックンロールの帝王にして、俳優としても活躍する内田裕也が13日、京都市内で開催中の京都国際映画祭2017で上映された1983年公開の主演映画『十階のモスキート』の舞台挨拶に登壇、劇中で何度も描かれるラブシーンを当時は照れながら演じていたことを明かした。
『十階のモスキート』は、実際に起こった警察官の不祥事をモチーフに、妻に見捨てられ、借金地獄に陥った警察官の男が郵便局強盗を企てるまで転落していくさまを描いた、崔洋一監督のデビュー作。1982年の主演作『水のないプール』に続いて内田が企画を担当し、崔監督と共同で脚本を書き上げた。この日は、日本ロック界のみならず映画人として個性的な作品を生み出してきた内田の業績を振り返る京都国際映画祭恒例の特集企画「内田裕也ロックンロールムービー」の中で上映が行われた。
舞台挨拶には内田と共に、本作でデビューを果たした崔監督も登壇。二人とも本編の上映を観客席から見ていたそうで、内田は「ラブシーンが多いんで観客席で照れていました」と語り笑いを誘う。崔監督は「裕也さんと並んで観ていて感慨深いものがありました。自分で言うのもなんですけど、悪くないですよね」とコメント。
本作で万年係長の冴えない警察官を演じた内田。公開当時は、日活ロマンポルノで人気を博した風祭ゆきとの濃厚なラブシーンも話題となった。撮影当時を振り返った内田は「監督から『ここで風祭ゆきさん演じる女性警官を家に連れ込んでラブシーンになります』と聞いたときはさすがの俺も、えー! って引いちゃった。風祭さんにうまく対応していただいてなんとかなりました」と振り返ると、崔監督も「実は僕もラブシーンを演出するときは照れていました」と告白。続けて「女優さんから『監督、ここはどうするんですか?』と聞かれて困ったりもして。新人監督として撮影現場で女優さんに揉まれてました」と撮影当時のエピソードを語っていた。(取材・文:スズキヒロシ)
京都国際映画祭2017は10月15日まで京都市内各所で開催中