ハーヴェイ・ワインスタイン、米アカデミーから追放
アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が現地時間14日、プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインを同団体から追放すると発表した。
AMPASは「理事会は本日、ハーヴェイ・ワインスタインに対する疑惑を話し合うために集まりました。そして彼をアカデミーから即時追放するために必要な、三分の二以上の票が投じられました。これは、単に彼のような仲間たちからの尊敬に値しない人物を追放したというだけでなく、われわれの業界における性的な搾取やハラスメントについて見て見ぬふりをし、恥ずべき共謀をする時代は終わったというメッセージでもあります」と声明を発表した。
ワインスタインによる約30年にわたるセクハラ疑惑は5日に New York Times が告発して大騒動に。ハリウッドの大物プロデューサーであることを笠に着て女優などに性的な関係を迫っていたといい、アンジェリーナ・ジョリー、グウィネス・パルトロー、カーラ・デルヴィーニュ、レア・セドゥらも彼からセクハラを受けたとコメントしている。彼の行いを“公然の秘密”としてきた業界にも批判の目が向けられている。
これまでにAMPASの会員資格をはく奪されたのは、『ゴッドファーザー』シリーズのカーマイン・カリディのみ(2004年)。彼の場合は、アカデミー会員に配布される新作映画のコピーを横流ししていたことが原因。ワインスタインは『恋におちたシェイクスピア』で第71回アカデミー賞作品賞を受賞しているが、これを取り上げるのか否かについては、AMPASは触れていない。
英国映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA)も彼の会員資格を停止しているほか、フランス政府も14日、同国の最高勲章レジオンドヌール勲章の取り消しを検討すると発表していた(フランス映画『アーティスト』を成功させた功績をたたえて授与していた)。(編集部・市川遥)