山田裕貴、オーディションで「すごい好き」な俳優と一騎打ち
俳優の山田裕貴が30日、都内で行われた映画『あゝ、荒野 後篇』満員御礼舞台あいさつに岸善幸監督と出席。本年度の映画出演が13本という人気と多忙を極める山田が、本作では役者人生を懸けてオーディションに挑んだことを明かした。
本作は、演劇実験室「天井棧敷」を設立した劇作家で歌人の寺山修司の長編小説を映画化した青春ドラマの後編。菅田将暉演じる沢村新次とヤン・イクチュン演じる二木建二、ボクシングを通じて絆を育む二人の男の姿を描く。
新次の宿命のライバルでプロボクサーの山本裕二を演じた山田は、「どのオーディションもやる気を持って臨んでいますが、本当に死ぬ気で挑まなきゃなと思っていました」と吐露。というのも、山田はこれまで『オオカミ少女と黒王子』『青空エール』など少女漫画原作の映画に出演することで若い女性ファンを獲得していたため、新境地ともいえる本作によってアイドル的な見方ではなく、「“役者”として見てもらえるじゃないかと思い、必死だった」そうで、マネージャーからも「これを落としたら考えなきゃいけないね」と言われていたことも告白した。そして、「ボクシングの形をうまくアピールできたら」という思いでジムに通ってオーディションに参戦。最終審査では山田が「すごい好き」という俳優との一騎打ちでもあり、「死ぬ気でした」と振り返った。
そんな山田をオーディションで見た岸監督は、「目力が強く、すごく至近距離に感じてアピール度がすごかった」としみじみ。また、「裸になってもらって筋肉を見せていただいたんですが、その時はすでにおなかも割れていて素晴らしかった」と回顧した。
そうして勝ち取った裕二役を、その後の過酷なトレーニングを重ねて作り上げた山田。実際の撮影では、菅田と「死ぬ気で行こう」と本気の殴り合いを披露しており、「ボクシングのアクション部分が終わってもカットがかからないから、それから先はお芝居ではなくてボクシング。生きてなければ死ぬんですよ。でもそのお芝居を超えている感覚がすごく楽しかった」と嬉々として語っていた。(取材:錦怜那)
映画『あゝ、荒野 後篇』は上映中