ソダーバーグ監督、引退撤回作で来日!日本映画からの影響語る
第30回東京国際映画祭
映画監督引退を宣言していたスティーヴン・ソダーバーグ監督が31日、EX THEATER ROPPONGIで行われた、第30回東京国際映画祭・特別招待作品『ローガン・ラッキー』の上映会に来場、日本映画からの影響を語った。
『セックスと嘘とビデオテープ』や『オーシャンズ』シリーズなどで知られるソダーバーグ監督が、4年前の引退宣言を撤回して取り組んだ本作。チャニング・テイタム、アダム・ドライヴァー、ダニエル・クレイグ、ヒラリー・スワンクら豪華キャストが集結し、全米最大級のカーレースの裏側で行われる、現金強奪劇を描き出す。
6年ぶりの来日となったソダーバーグ監督に、新作を待ち望んでいた観客から盛大な拍手が。その様子に笑顔を見せたソダーバーグ監督は、「日本に呼んでいただいて、東京国際映画祭に感謝したい。今年で30回ということで、ハッピーバースデー!」と祝福の言葉を投げかける。さらに「わたしが日本文化に触れたのは、日本映画を通じてでした。当時は10代で、とても魅せられました」と話すソダーバーグ監督は、「わたしは日本映画に造詣が深い(映画批評家の)ドナルド・リチーさんに連絡をとったことがあります。そこで彼の言葉を引用します」と続ける。
そしてリチーのコメントを読み上げるソダーバーグ監督。そこには「西洋のプロットは何が起きるか、何が理由か、そして何が責任なのか、といったことを重視します。しかし、日本の伝統では、ストーリーにおいて、流れとつながり、そして関係性を重視します」と書かれており、「わたしは非常にこの言葉に刺激を受けました。両方の態度が分かりましたし、できるだけ両方を融合させるような努力をしていきました」と打ち明けた。最後に「人生はとても短いと感じる時があります。そして2時間がすごく長く感じる時もあります。でも今日は短く感じてほしいと思います。ぜひ楽しんでください」とちゃめっ気たっぷりに観客にメッセージを送った。(取材・文:壬生智裕)
映画『ローガン・ラッキー』は11月18日より全国公開