怖いだけじゃない?『IT/イット』ヒット中
スティーヴン・キングのホラー小説を実写映画化した『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』が3日から公開され、日本でもヒットを記録している。土日2日間(11月4日~5日)の映画動員ランキングでは惜しくも『マイティ・ソー バトルロイヤル』に及ばなかったが、2日間の動員人数13万8,110人、興行収入1億8,449万2,900円とR指定ホラー作品ながら異例のヒットスタートとなった。
同作は、アメリカでホラー映画として初めて興行収入3億ドル(約330億円・1ドル110円計算)超えの大ヒットを記録している作品。北米で9月8日に公開されるや、批評家&観客から好評を博し、その人気はホラーファンの枠を超えて全米で社会現象化しているほど。もともと原作小説の設定通り2部作で製作される予定だったが、第1弾の大ヒットを受けてか、早くも続編の全米公開日が2019年9月6日に確定している。
日本では9月1日にYouTubeで公開された日本版の予告編が約300万回以上再生され、マスコミ試写、一般試写ともに毎回多くの人が駆けつけていた。そして初日を迎えた映画館には、高校生のグループや男女のカップルなど洋画ではあまり見かけない層が数多く訪れた。また、公開前にはホラー映画ゆえに一緒に観に行く人を募るツイートなどがTwitterでも見受けられたが、映画館には10人ほどのグループで来場する人たちもいたという。
結果として同作は、2000年以降のホラー映画の興収を振り返って1億8,000万を突破した作品がほとんどない中で、堂々たる成績をおさめた。TwitterなどのSNSには「怖かったけど泣けた」「単なるホラーではない」「怖かった……でもまさか泣けるとは思わなかった」「恐怖に打ち勝つ少年たちの成長譚」「まさにスタンドバイミーだった」といった感想が寄せられている。
メガホンを取ったのは『MAMA』でも注目を浴びたアルゼンチン出身のアンディ・ムスキエティ監督。静かな田舎町に突如現れた正体不明の存在が、人々を恐怖に陥れるさまが描かれている。(編集部・海江田宗)