小林幸子、“ラスボス”の意味は知らなかった!
歌手の小林幸子が8日、都内で行われた映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』完成披露試写会にサプライズ登壇し、10年ぶりとなるアニメ映画声優のオファーを受け、「キターッ!」と歓喜したことを打ち明けた。また、ネット上では“ラスボス”の愛称がすっかり浸透している小林だが、当初はその意味を知らなかったとも語った。
本作は『コララインとボタンの魔女 3D』などを手掛けたアニメーションスタジオのライカ制作によるストップモーションアニメ。古代の日本を舞台に、魔法の三味線で折り紙を操る片目の少年クボが壮大な冒険を繰り広げる。物語やキャラクターには日本の伝統や昔話からの影響が色濃く反映されている。
『ルイスと未来泥棒』(2007)以来、10年ぶりとなるアニメーション映画の吹き替えで、クボを見守る心優しいおばあちゃん・カメヨの声を担当した小林。カメヨが登場する一部シーンが上映されたときは、声が役にはまり過ぎていて観客は声優が誰かわからないといった様子だったが、小林が突然現れると客席には驚きの表情が広がり、その中で小林は「小林カメヨでございます」とあいさつ。自前の鶴の絵柄の着物は滅多に着ることがないそうで、「今日はこの鶴もすごく喜んでおります」と笑顔を見せると、頭には本作のチラシを利用した折り鶴の髪飾りをつけていることもアピールした。
また、オファーを受けたときのことを「キター! と思いました」と振り返る小林。これまでにも数々の声優の仕事をこなしているが、おばあちゃん役は初めてだそうで、「私なりのおばあちゃん役はどんな風にできるかな? ととっても興味がありました」と明かすと、「わたしが一番(キャラクターに)似合っているんじゃないかな」と自信ものぞかせた。そして、美しい日本を再発見できる本作を通して「日本人がもっと日本のことを勉強しなければいけないと思いましたし、わびさびを考えてみるきっかけにもなるのかな」と鑑賞後の率直な思いも口にした。
さらに、オタクカルチャーと融合したり、ネット界ではラスボスと呼ばれるほどの人気を集めたり、演歌歌手としての枠を超えて常に進化し続けていることから次の目標を尋ねられると、「新しいことにチャレンジさせていただくこと」が毎回の目標であり、そのために「人との出会い」を大切にしていきたいと意気込み。ちなみに、当初はラスボスという意味を知らずに、ネットユーザーからの「ラスボスと呼んでいいですか?」というリクエストを快諾したという小林。現在は理解した上で、「皆に元気を与える存在でありたいと思います」と目を輝かせていた。
この日は、日本語吹き替え版主題歌を担当する三味線奏者・吉田兄弟(良一郎、健一)も登壇し、津軽三味線の生演奏を披露して、イベントを盛り上げた。(取材:錦怜那)
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は11月18日より新宿バルト9ほか全国公開