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セクハラ体験明かす「ザ・オフィス」女優…役者ならアートのためになんだってやれる?

アドバイスが詰まった自叙伝を出版した女優ジェナ・フィッシャー
アドバイスが詰まった自叙伝を出版した女優ジェナ・フィッシャー

 テレビシリーズ「ザ・オフィス」で人気を博したジェナ・フィッシャーが、自叙伝「ジ・アクターズ・ライフ:ア・サバイバル・ガイド(原題) / The Actor's Life: A Survival Guide」について、11月14日(現地時間)、ニューヨークのヒルトン・ホテルで行われたハドソン・ユニオンのイベントで語った。

【写真】『俺たちフィギュアスケーター』でのジェナ

 同書は、女優になるためにロサンゼルスに移ったジェナが、「ザ・オフィス」で活躍するまでの10年間、オーディションでの落選、自身の疑念や葛藤と向き合った実体験などを、俳優志望の人たちへ向けて、ビジネス面でのアドバイスをしながらコミカルに記したもの。

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 ミズーリ州の大学で舞台を学んだが、特にコネクションもないままロサンゼルスに来たというジェナ。「自分の周りには、(当時)俳優の世界で成功したモデルになるような人物がいなかったの。そんな厳しい俳優の世界の現実を5~6年かけて学び、過ちを犯したり、詐欺に遭ったり、遭いそうになったりしたことが記されているわ」と自叙伝について説明。続けて、「実際、2年ぐらいで誰かがわたしの才能を見つけてくれると信じていたし、(俳優志望の)ルームメイトにはCMのエージェントがいたから、そのエージェントを介してすぐに紹介してもらえるとも思っていたのよ。でも、その人はわたしに会ってさえくれなかった。それが唯一のコネクションだったから、女優としてどう仕事を手に入れるかもわからなかったわ」と数々のオーディションを受けては落とされた当時を振り返った。

 そんな苦労時代、どのようにしてポジティブな精神状態を保ったのだろうか。「ポジティブではあったけれど、楽観的ではなかったわ。イライラしたり、困惑したり、がっかりしたりすることは、(女優を目指す人には)ノーマルなことだと思ってほしいの。自分には夢があり、それに到達できていなかったら、そんな感覚になってしまうのは当然よ。それでもやめずに、続けなければいけない。恐怖を抱きながらも前に進むことが大切なの。でも本当に大変なのは、そんな期間を乗り越えるのに、自滅的にならないことね。俳優やアーティストの中には、そんな時期に暴飲したり、麻薬漬けになったり、性的にふしだらな振る舞いをしたりする人がいる。そんなくじけそうな時期に辛辣(しんらつ)にならずに、他のアーティストを非難せず、精神的にも肉体的にも自分の面倒をよく見ることが大切なのよ。それがチャレンジだと思う」と持論を展開した。

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 売れない時期の最も嫌だった体験を聞かれると、「ロサンゼルスに来て3年目ぐらいだったかしら、あるシアターカンパニーのメンバーとしてパーティーに参加したの。そのパーティーで、男性の舞台脚本家が『君の仕事ぶりを見てきた。みだらな映画に出演してみる気はないかい?』と言われたの。とても不愉快だと思ったけれど、『誇りを持って両親に見てもらえる作品にしか出演したくないわ』と返してかわそうとしたら、彼は『それならば、君は女優じゃないね。実家に戻るべきだ。真の俳優ならば、アートのためになんだってやる。見せる必要があるならば、なんだって見せられる。それができない女優ならば、それは真の女優ではないということだ』と言われたのよ。当時まだ若かったわたしは、驚いたし、困惑もしたし、傷つきもした。家に戻って泣いたわ。今思うと、全く軽蔑すべき男だったわ」と告白した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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