マイケル・ジャクソンが哀れだった…『小さな恋のメロディ』俳優が語る
12月3日まで開催中の東京コミコンのために来日した『小さな恋のメロディ』の主演俳優マーク・レスターが、親しい関係にあった故・マイケル・ジャクソンへの思いなどを語った。
1971年公開の『小さな恋のメロディ』は日本で熱狂的な支持を集め、主演のマーク・レスターもアイドル的な人気を獲得。しかしそれから6年後に彼は俳優業を引退してしまう。現在は整骨師としてクリニックを営んでいるが、8年ほど前、彼とマイケル・ジャクソンの交流関係が話題となった。マークの提供した精子で、マイケルの娘パリス・ジャクソンが生まれた可能性があるという衝撃的なニュースが流れたのだ。その件について、マークは改めて次のように説明する。「僕の子供たちは嫌な顔をしたが、上から2番目の娘は、パリスちゃんに会いたがった。血がつながっている可能性があるわけだから……。でも今は直感的に、パリスちゃんが僕の娘ではないと感じているよ」。
今回、マークは10年ぶりの来日となるが、前回はマイケルに同行しての旅だった。「2007年にマイケルと一緒に東京に来たが、彼は東京の外の風景を一切、目にしなかったんじゃないかな。ホテルの部屋にこもりきりだった。檻の中で足枷をつけられた奴隷のように見えたよ……。僕は妻と自由に外を歩き回り、買物をしたり、寺を参拝したりして東京を楽しんだけどね」。
その来日の2年後にマイケルは亡くなるわけだが、マークは彼の人生を今、冷静に振り返る。「僕自身、マイケルの近くにいて、彼の考えからたくさんの影響を受けた。でも彼と人生を入れ替えたいかと聞かれたら、断固として『ノー』と答えるね。自分の人生を楽しむ方がいい。そこまでの名声は僕には必要ない」。
『小さな恋のメロディ』で人気を得たマークは、森永製菓のチョコレート(ハイクラウン)のCMに出演。1973年公開の日本映画『卒業旅行 Little Adventure』にも主演の役で招かれた。「僕は英語のセリフを話し、共演者たちは全員、日本語で話す。それで映画が成立するという奇妙な体験だったよ。日本語が理解できない僕は、演じながらストーリーさえ把握できなかった。まぁコメディーだからね」と笑いながら当時を回想するマーク。今でも日本からファンレターが届くそうで、マークは長年のファンとの時間を東京コミコンで心から楽しんでいる。(取材・文:斉藤博昭)