サウジアラビアで35年ぶり映画館解禁!
サウジアラビア文化情報省が現地時間11日、実に35年にぶりに映画館の営業を解禁すると発表した。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が進める近代化政策の一環で、最初の映画館は来年3月にオープンとなる。
その第一号を皮切りに、高級なものも含め合計2,000スクリーン以上を擁する300館以上の映画館を国内に建設する予定とのこと。サウジアラビア文化情報省のアワド・ビン・サレハ・アラワド氏は「映画館をオープンすることは、経済成長と多様化を促すことになるでしょう。われわれは新たな雇用の機会を生み出し、王国におけるエンターテインメントの選択肢を豊富にします」とコメントしている。
サウジアラビアではイスラム教に基づいた厳格な政策が取られるようになった1980年代初期から、公的な娯楽や男女が一緒にいることがよしとされず、映画館の営業が禁止となっていた。それでもサウジアラビアの人々はオンラインや衛星放送で映画を観ており、またその多くがバーレーンやアラブ首長国連邦といった近隣諸国に出掛けて映画を楽しんでいたという。
サウジアラビア政府は検閲の詳細は明かしていないが、新たに建設される映画館で上映される映画は、同国の価値観とイスラム教の法律にふさわしいものになると明言している。
石油への依存を減らし、若者たちの締め付けを緩和するサルマン皇太子の新たな政策の下、来年からは女性による運転、女性がコンサートやコメディーショーに行くことなども解禁となる。(編集部・市川遥)